今年は流氷が例年に比べて南下が速く、密度も濃いようです。
流氷ダイビングは楽しんでいるでしょうか。
今日(2/14)は雲が少なく、ひまわり8号のカラー画像で流氷が良く見えているので久しぶり
に流氷画像(図1)を作成してみました。
図1,2 ひまわり8号で見る今日の流氷 2017/02/14 09:00-14:30 (左クリックで拡大)
網走から知床半島の西側海岸は白く隙間が無い密度の濃い流氷で覆われています。
ひまわり8号の画像からは、流氷部分の明るさである程度の流氷密度が解るのですが、
光の反射に頼っているので、中密度以上は明るさに差が無くなり、低密度は暗く見えない
のでよく判別出来ません。
ひまわり8号のカラー画像から作成した流氷の分布精度の検証のため、海上保安庁さんの
最新の流氷画像(図2)を引用させて頂いて比較してみます。
密度の高い部分はなんとなく分布が似ていますが、密度の低い部分は見えておらず、ひま
わり8号の画像では流氷密度はうまく判別できていません。
(画像を明るくすると暗い部分も見えるようになるのですが今度は雲と分離できません)
ひまわり8号のカラー画像以外のバンド(バンド4~16)の演算で流氷密度を見ることが
出来るのだろうか?
もしできるとしたらどうやって見るのか、ナゾー
注: ひまわり8号による流氷画像は、09:00-14:30に観測された画像から重ね合せで
抽出しているため、その間に流氷が風や海流で動いてしまうと、重ね合せからはみ
出た部分が消えているので、流氷の動きが大きい部分は輪郭がボケたり消えた
画像になっています。
又、雲が動かない部分や切れない部分は残り、流氷と区別できません。
R1メモ
前日の2/13日は雲が多くてひまわり8号による流氷観測は諦めましたが、海上保安庁の
2/13流氷画像は、だいち2号(ALOS-2)によるレーダー観測で流氷分布と密度図が綺麗に
得られています。
流氷画像の分布図が斜めの四角で表示されているときの画像は雲が多く全域の光学的な
観測はできなかったが、だいち2号によるレーダー観測(14日周期)で得られた画像と思わ
れます。
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ひまわり8号の画像から流氷の密度を3Dで見ることが出来ないか?
流氷密度が高い部分は氷(又は雪)が詰まっているので反射率が高いのでは?と考え
「密度が高いと反射率が高く明るい⇔密度が低くいと反射率が低く暗い」と仮定して
密度の高い(明るい)ほど浮き上がって見える3D立体画像で表現してみました。
図3、流氷密度の3D分布図(試作図) 3D立体画像・交差法 (左クリックで拡大)
図4、流氷密度の3D分布図(試作図) 3D立体画像・平行法
図5,6 流氷密度の比較~ひまわり8号と海上保安庁流氷画像 (左クリックで拡大)
比べてみると、似ているようないないような・・・ 微妙なところでしょうか?
※ この図は、流氷密度が高いと反射率も高いと仮定していますが、流氷密度と明るさの
相関が不明で検証する方法が無いので正しいかどうか不明な思い付きで作ったR1調べ
による試作図です。
雲の無い晴れた日のサンプル数が集まれば、明るさと密度に相関があるかどうか解ると
思うのですが・・・
R1メモ
ひまわり8号で見る流氷図の作り方
1,ひまわり8号の2.5分間隔カラー画像 09:00-14:30(133枚)をキャプチャー
2,133枚をレイヤーに重ねて比較(暗)演算で流氷部を抽出 (動いている雲を除去)
3,Rch(赤)をベースにパンシャープン画像を作成。
4,レベル調整後、海上保安庁の流氷画像の経緯度に相似になるように変形。
5,緯経度線、文字入れ。
流氷密度の3D分布図(試作図)の作り方
1,図1を8諧調(32幅で区切り)に分割(8レイヤー)
2,8レイヤxR/L(左右に配置)
3,交差法~視差を作るため、左配置画像をレイヤー順に+1ADDで左にシフト、
右配置画像をレイヤー順に+1ADDで右にシフト
4,平行法~交差法のR/L配置を入れ替え。
5,文字入れ
画像の出典
図1、3、4、5:NICTサイエンスクラウド ひまわり8号リアルタイムWeb
http://himawari8.nict.go.jp/ 日本列島 をもとに作成。
図2、6:海上保安庁 最新の流氷情報 2017/02/14 をもとに作成。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/drift_ice/ice_chart/ice_calendar.html