水中ハウジングの宿命か? 色ずれが起きていた!
新しいカメラがどんどん出るので、画質を確認するため、サンプル写真を見ていると?
一眼レフカメラでも、水中写真は『周辺に色ずれによる偽色が出ている』のを確認。
でも、同じカメラとレンズで撮した、空気中のサンプル写真には、分かるような色ずれは見られない?
何故?
確認するため、手持ちのカメラ(コンデジ FinePix F30)で、
1,水中ハウジング無しで、空気中
2,水中ハウジング有りで、空気中
3,水中ハウジング有りで、水中(真水)
の条件で撮してみました。
①水中ハウジング無しで、空気中
写真を見て、はっきりと分かるような、色ずれは無い。
上の写真の右端を拡大
わずかに、色ずれで偽色が出ている。
(コンデジなので)
②水中ハウジング有りで、空気中
これも、写真を見て、はっきりと分かるような、色ずれは無い。
(暗いのはレンズポートでストロボが蹴られたため)
上の写真の右端を拡大
①より、少し大きな色ずれで偽色が出ているが、まだ気にならない程度。
③水中ハウジング有りで、水中(真水)
よく見ると、周辺部に色ずれが見える。
ちなみに、水中撮影では大きく写るため、同じ距離では定規全体が写らなくなりました。
(これが後記する原因になるのだが)
上の写真の右端を拡大
はっきりと分かるほど大きな色ずれで、偽色が出ている。
同じカメラで写したのに何故、こんなに違うのか?
と言う事で、以下は私の推測です。
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原因は、水中ハウジングに必ずあるガラス製の窓(ポート)。
被写体からの光はガラスを必ず通過するため、空気中で撮すときより、2回余計(①水~ガラス、②ガラス~空気)に屈折することになります。
問題は、①水~ガラス 間の屈折率と、ガラス~空気 間の屈折率が異なるため、ガラスから出る時に広がって出ていくため、色ずれとして認識できるほど分光する幅が広くなるためと思われます。
図7を見てもらえれば、直感的に解ると思います。
(光の経路は解りやすくするために誇張してあります)
よく考えれば、平面ガラスといえども、プリズムです。
窓ガラスでも、気付かないだけで分光されています。
水中撮影の場合、水側の屈折率が空気中より1.33倍になるため、分光する幅が大きくなり、色ずれが顕著になる。
このため、空気中で撮すことを前提に設計されているカメラは、どんなに高級なカメラ・レンズでも、水中ハウジング越しに写真を撮ると、色ずれを生じます。
色ずれを無くす(事は出来ないので見えないようにする)には
1,色ずれの補正機能の付いたカメラ(ニコンの1眼レフカメラにあったはず)を使う。
2,レンズ補正の出来るレタッチソフトで補正する。
(図6)をレンズ補正ソフトで修正すると、このぐらいにごまかせます。
でも、倍率色収差は補正できますが、軸上色収差によるピンボケは修正できないため、シャープさはありません。
昔、ニコノスという、レンズが水中でむき出しの、水中専門カメラがありました。このカメラなら、こんな問題は無いように設計されていたかもしれません。(でも、陸上では逆の問題?)
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今まで、水中写真で色ずれが出るのは、『安いカメラだからしょうがない』と思っていましたが、真犯人は別なところにいました。
愛機 SP-560UZさん。 あなたの所為では無かったのです。 ごめんなさい。
また、『虫眼鏡レンズのマクロレンズ』は色ずれが大きいと書いてきましたが、その中に水中ハウジングのガラスによる色ずれが少しは含まれていたようです。
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