エレコム EHP-AHR192 の音質向上改造
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「疑似ハイレゾ音源」の最新バージョンの紹介記事です。
疑似ハイレゾ音源の最新バージョン
http://r1rawd.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-40adca.html
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「エレコム EHP-AHR192 の音質向上改造 Ver.2」 記事を追加しました(2019/03/02)
私のノートパソコンは192KHz-24bitハイレゾ対応なのだがDACがカニさんマークで
48KHz仕様のものが使われていて、ハイレゾ音源(96/192KHz)を再生するときは48KHzに
ダウンサンプリングされているのが解り、「なんちゃってハイレゾ音源Ver.5」開発のために
まずはちゃんとしたUSB-DACを手に入れることが必要になりました。
かといって、ウン万円もする高級機を買う余裕もないし(^_^;)と思案していたら、
エレコムのUSB-DAC EHP-AHR192GD が1848円と投げ売り状態(発売時は2万円弱)。
スマホ用なのだが、Windows7でもドライバーを入れると使えることが解ったので早速ポチ。
仕様はローエンド機ですがテストのテストなのでこれで十分(最初から改造して使うつもり)
ハイレゾ音源を再生してみると、いやにキンキンした音で刺激がある(よく言うと華やかす
ぎる音)。
USB-DACで聞くハイレゾの音はこんなもんかなと思った・・・そんなわけないですよね。
何かが悪いとひらめいたのは、USBのアースとケース(塗装を剥いだ部分)をテスターで
当たってみると、数十Ω(不安定)ありシャーシアースが確実にとれていない状態?
試しにマイクロUSB端子のアースとDACの金属部(クリップ)をアースしてみると少し穏やか
な音質に変化。
図01
これなら(値段なりでしょうが)納得のハイレゾUSB-DACです。
ちゃんと44.1KHz/16bit、48/88.2/96/176.4/192KHz-24bitの違いも分かります。
このUSB-DAC EHP-AHR192はWindows7には対応していないのでネット記事を
参照してドライバーをダウンロードして、WASAPIモードで使えるようにしています。
ソフトも新たにMusicBee(WASAPI対応)をインストール。
ヒアリングの常用に使っているWaveSpectraもWASAPIに対応しています。
ちなみに私の再生装置は、ノートパソコンT551/T6DB、ヘッドホンATH-W1000(改)です。
*** 追記 2018/05/21 *************************************************
MusicBeeのWASAPIは音が悪いと思って調べたら、WASAPI共用モードであった
のが解かり、ドライバ:ASIO、デバイス:BRAVO-HD に変更したところ排他モード
になり再生音が向上しました。WS.EXEはWASAPI排他モードが使えていたのですが
ASIOに替えたところやっぱり音質が良くなりました。
ASIOに替えて広がりが出てセパレート感が増しましたが高音が強調されるようです。
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内部のアース不良?を直せばUSB-DACとして問題なく使えることが解ったので早速改造
に取りかかろうと思ったのですが、内部をあけるネジなどが見当たらない。
破壊覚悟で分解する前に、失敗したときのために予備機でもう2台ポチ。
(残れば、WindowsXP機と組み合わせてプリメインアンプ用専用機として使う予定で、
動作確認済み。XPの有効活用です)
改造前に3台とも動作確認しましたが同じ音質でした(3台ともアース不完全でした)
※レビューで高域のノイズを指摘されている方がいますが3台ともありませんでした。
192KHz-24bitの無音トラックを作って再生してみても、わずかにサーと言う通常の
アンプ程度のノイズしか聞こえません。
もしモスキート音のような高域のノイズなら私にはもう聞こえていません(^_^;)
(聞こえないがそれがキンキンした刺激音に感じている可能性はある。)
で、モスキート音が聞こえないのにハイレゾ音源の違いが解るのは摩訶不思議?
その答えは ハイレゾ音源はなぜ音が良く聞こえるのか?
定価の1/10で投げ売りされているのもシャーシアースの不具合による音質劣化
のせいなのかと疑ってしまう(メーカーさんも破壊しないと修理できない製品です)
1、破壊覚悟で分解スタート。
あける手ががりが無いので右側の上下に2φx3mmの穴をあけて千枚通しと薄いマイナ
スドライバーで何とかアルミ製のフロントパネルをこじ開けました。
強力な接着剤で固定されているので中の樹脂製のボタンパネルが変形・ひび割れしたの
で修正しておきます。
図02
2、内部は基盤が樹脂パネルを挟んで4本のネジで止められています。
基板とシャーシアースの位置は、ネジの座面の右下/左上の塗装がはがされている部分
ですがアルミが酸化しているのか、基板を押し付けても導通がありません。
ここを磨いても時間経過でまた接触不良になるので、樹脂パネルの左下の穴をネジ頭より
径を大きくして、ネジが直接基盤アース接触~ネジ~シャーシにアースが落ちるように改
造。(音質改善ポイント1)
図03
DAC ICには(シールド、放熱?の)銅箔が張られています。
4、基盤の拡大
使われているICチップは
DAC:AKM4430ET
USB I/F:SA9123
メモリ?:ATH526
AMP:709(709の2個入りのチップか?)
図04
5、磁性体シートを張る(音質改善ポイント2)
シャーシ内で暴れている電磁ノイズを抑えるために、ノイズ発生元のICチップに電磁ノイ
ズ吸収用の磁性体シートを張ります。
磁性体シートは5インチフロッピーディスクの磁性体円盤を切って使い、固定には薄い両面
テープを使用。
図05
磁性体シートを張り付けた状態。
図06
SA9123は厚みがあるので分けて張ります。
※磁性体シートを張るとICの放熱効果が低下します。
最悪熱破損するかもしれませんが、今のところ連続で半日使用しても異常なしです。
6、USBケーブルの改造前に、一度この段階で音出しテスト。(外部アース付)
落ち着いた感じの音に変化し、左右のセパレーションがよくなる。
このままでも良いかなーと思う(手抜きではありません)が、至高を目指して前進(^_^;)
7、USBケーブルの改善(音質改善ポイント3)
USBケーブルの電源と信号線を分離して、信号に電源ノイズが乗らないように改造。
ここでオリジナルのケーブルを切ってみると、信号線がツイストされていないただの4芯
シールドケーブル。
電源/信号分離の前に、信号線がツイストされたケーブルに変えるだけでも音質向上効果
があるかもしれません。
改造は、オリジナルケーブルを短く2本に切って、電源専用/信号専用に分けます。
この時4芯ケーブルはスターカッド接続(対角線で向かい合う線を並列接続する)で2芯とし
て使います。
スターカッド接続はケーブル内の磁界キャンセル/抵抗減少効果があり、アンプとスピー
カーの接続によく使われています(音が良くなります)。
図07
USBケーブルの改造で、馬力アップというかスケール感が出て、楽器の各パートが追え
るように情報が増した感じ。
あと、USBケーブル(2本)とは別にシャーシアース用に単線を追加しています。
基板とシャーシアースは内部で行っていますが、この外付けアースもあった方がクリアー
感が増します。 (単線なのでケーブルを曲げたときの戻り防止効果もあります)
USB端子は、マイクロUSB変換プラグを解体して再利用しています。
8、改造後の完成姿
実装改善で、パーツのスペックを引き出した本来の音質になった(ような気がします(^_^;)
図08
音質が向上したのは良いのですが、そのために今まで聞こえていなかった楽器毎に倍音
の出る次数とレベルの違い(特にピアノが曲者)があって一括の高域補間では音に不自然
さがでることがわかり、「なんちゃってハイレゾ音源Ver.5」の完成が伸びそうです。
シャーシの左右にある穴(2φx5mmx4)はフロントパネルをタッピングネジで固定するため
にあけました。
同時にフロントパネルのアーシングも兼ねています。
これで今後の分解が簡単にできます。
(穴あけはピンバイスの手回しであけました。ボール盤とかの工作機欲しいです(^_^;)
*** 注意 ***
改造は自己責任で行ってください。
1、改造後はメーカー保証/修理は受けられなくなります。
2、配線間違いがあるとホスト側のパソコンやUSB-DAC、ヘッドホンが破損することが
ありますので十分確認してください。図07の配線が間違っていても責任取れません。
3、Windows7用のUSBドライバーは脆弱性が指摘されています。
(win10は標準ドライバーで使えます~サブ機のwin10で確認済みです)
4、分解や加工時はパーツが割れて飛び散る恐れがあるので保護メガネは必ず着用して
ください。
※指の怪我は治るけど、眼の怪我は最悪失明の恐れがあるので厳守してください。
カテゴリー違いですが
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