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2018年3月 4日 (日)

DEMデータで見る、西之島の12期(2013/12/04-2018/01-17)における、旧島台地の標高変化

                                   (西之島シリーズ目次 No.101~)

 西之島の再噴火も終了(?)したようですが、今回の噴火による新しい火山噴出物の下に
ある西之島海底火山本体の標高が変化(火山本体の隆起など)しているかどうかの情報
がありません。
そこで、奇跡的に溶岩流による埋没を逃れた旧島台地の南下端の西側の標高変化を見
れば、西之島山頂の標高変化も解るのではないかと考えて、標高が観測されている12期
(2013/12/04-2018/01-17)のDEMデータで等高線グラフを作成して比較してみました。

 

 R1メモ
   西之島の大きなブログ記事もこれが最後で、後はランドサット8の画像ぐらいしか
  記事ネタが無いなー、と思っていましたが「西之島の西12Kmに浅所あり」の報。
  その後の情報が全くありませんが、楽しみに待っています(^_^;)

 

 まず、国土地理院から公開されている12期の標高データ(技術資料)の諸元です。

標高データ(技術資料)の諸元(http://www.gsi.go.jp/gyoumu/gyoumu41000.html より)

  期  撮影日  写真撮影   技術資料    DEM分解能 
  01 20131204 くにかぜⅢ  C1-No425  X,Y=2.5m、Z=0.1m 
  02 20131217 くにかぜⅢ  C1-No426  X,Y=2.5m、Z=0.1m
  03 20140216 くにかぜⅢ  C1-No435  X,Y=2.5m、Z=0.1m
  04 20140322 無人航空機 H1-No13    X,Y=2.5m、Z=0.1m
  05 20140704 無人航空機 H1-No16    X,Y=1m、Z=0.001m
  06 20141204 くにかぜⅢ  C1-No.444   X,Y=2.5m、Z=0.1m
  07 20150301 無人航空機 C1-No.448   X,Y=2.5m、Z=0.1m
  08 20150728 無人航空機 C1-No.453  X,Y=2.5m、Z=0.1m
  09 20151209 くにかぜⅢ  C1-No.458  X,Y=2.5m、Z=0.1m
  10 20160303 無人航空機 C1-No.462  X,Y=2.5m、Z=0.1m
  11 20160725 無人航空機 C1-No.463  X,Y=2.5m、Z=0.1m
  12 20180117 くにかぜⅢ  C1-No.478  X,Y=2.5m、Z=0.1m

 

 ※1, "01 20131204" と "02 20131217" の西之島旧島部分のDEMデータは同じ
    ものでした。 (新島部のみデータ更新)

 ※2,  X,Y座標の原点が異なる4種のデータがあります。
     ( )内は描写に使用したXY座標です。

    1グループ: 01~03 期
         (X1:-111648.75、Y1:138676.25)・(X2:-111538.75、Y2:138481.25)
    2グループ: 04
         (X1:-111650.5292、Y1:138677.2889)・(X2:-111540.5292、Y2:138482.2889)
    3グループ: 05
         (X1:-111649.5752、Y1:138676.3154)・(X2:-111539.5752、Y2:138481.3154)
    4グループ: 06~12
         (X1:-111649.25、Y1:138676.75)・(X2:-111539.25、Y2:138481.75)

 ※3,  標高データは国土地理院が撮影した空中写真より作成されています。
     写真の撮影方法
     01,02,03,06,09,12 期は、航空機「くにかぜⅢ」
     04,05,07,08,10,11 期は、無人航空機(UAV)
    X,Y座標とその地点Z(標高値)は、西之島(東京都小笠原村)の平面直角座標
    (第14系)に基づく。

 ※4,  等高線カラー区分を見やすくするためにZデータの置き換えをしています。
     陸域部の0mは +0.001m、海面の-9999は -0.001m に置き換え。
     等高線間隔は0.5mで描写しています。

 ※5, 等高線グラフの作図は、エクセル2010で行っています。

 

 図1、DEMデータで見る、西之島の12期(2013/12/04-2018/01-17)における、
    旧島台地の標高変化 (左クリックで拡大)

0112_006

 

 

図2、西之島の12期(2013/12/04-2018/01-17)における、旧島台地(南下の西側部分)
    (左クリックで拡大)

0112__004c

 

  火山噴出物の堆積は、岩盤の模様(筋)などが見えるので等高線間隔の0.5m単位の厚い堆積物は
  無いようです。

*******************************************

 図1、の等高線の変化から

 1、01-03期はテラス状の平坦部(標高の数値記載部分)から南西方向に下がり勾配
   (約1.5m下がる)になっていますが、04-12期はテラスの勾配が北西方向の下り勾配
   になっています。
   この部分の写真を見ても台地の岩盤が割れているなどの様子や厚い堆積物なども
   ないので、旧島台地の隆起と傾きが起きています。
   03期から04期の標高変化は、穴の開いた付近で約+1m、図の右下付近で約+2.5m
   高くなっています。

 2、台地の中央付近の標高変化は01期のテラス中央付近(標高値が記されている部分)
   を基準にすると

   01期(2013/12/04)→ 13.5-14m 基準値
   02期(2013/12/17)→ 13.5-14m ±0
   03期(2014/03/22)→ 13.5-14m ±0
   04期(2014/03/22)→ 14.5-15m      +1
   05期(2014/07/04)→ 14.5-15m      +1
   06期(2014/12/04)→ 14.5-15m      +1
   07期(2015/03/01)→ 14-14.5m   +0.5
   08期(2015/07/28)→ 14.5-15m      +1
   09期(2015/12/09)→ 13.5-14m ±0
   10期(2016/03/03)→ 13.5-14m ±0
   11期(2016/07/25)→ 14-14.5m   +0.5
   12期(2018/01/17)→ 14.5-15m      +1

   と、+1m高くなって±0に戻り、再び+1m高くなっています。

   最終的に12期では旧島台地の穴付近で約+1m、テラス中央付近で約+1.5m、南側右
   で約+2mの北西に下り勾配のある標高変化になっています。
   台地が傾いて持ち上がっているので山体が隆起しているのではなく、旧島台地の
   南端東側の下に溶岩溜りが出来て、旧島台地部分だけを斜めに持ち上げたり
   下げたりと解釈する方が良いのでしょうか?

 

*** 追記 2018/03/04 ***

   05期 2014/07/04 の標高データは高分解能の、XY=1m・Z=1mmのDEMデータです。
  このDEMデータでXYフル解像度の作図するとどんな絵になるのだろう?
  こんな絵でした(^_^;)

             3D立体写真・交差法 (左クリックで拡大)

06_3d_1cm_001

 

   ※エクセルで等高線Z=0.001m描写は重すぎて10分以上待っても終わらないので、
          0.01mで描写しました。  2011年のノートパソコンですもの(^_^;)

***************************

 

出典:「国土地理院 西之島の関連情報HP http://www.gsi.go.jp/gyoumu/gyoumu41000.html
標高データ技術資料、正射画像」をもとにR1が作成。
※技術資料No.は、本文中に記載しています。

 

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