阿寒湖の3D湖底地形図 (No.7)
3D湖底地形図・第7回は「阿寒湖」です。
今回は補間方法を見直して、半閉鎖領域にも等深線が作成できるように改良しました。
阿寒湖は最大水深が-45mと水深があるので、水深倍率=約10倍で描写しています。
(注意:水深の見え方を誇張しています。実際の湖底斜面の傾斜はもっと緩やかです。)
図1、阿寒湖の3D湖底地形図 (裸眼立体視・交差法) (左クリックで拡大)
図2、阿寒湖と周囲の3D地形図 (裸眼立体視・交差法) (左クリックで拡大)
阿寒湖の東側は雄阿寒岳の噴火のよる溶岩流で埋め立てられて狭くなったように
見えます。
(阿寒湖に水が溜まったのは噴火で窪地が埋められてから? どっちが先?)
水深倍率=約10倍の3D湖底図と地理院地図3Dの標高倍率=2倍の図をもとに作成・
合成しています。
※水深倍率と標高倍率を同じにすると、3D湖底図の立体感が無くなるので水深を
誇張しています。
図3、阿寒湖 トレース等深線から膨張法補間により作成したDEMの変換精度
R1メモ
前回までの3D湖底地形図 No.1~6は、2本の等深線間の中間から等深線側に向かっ
て補間を計算していましたが、細長い谷部や稜線部などの半閉鎖領域には等深線が
生成できず大きな平面部が残っていました。
今回は、2本の等深線側から中間部に向かって補間計算するように補間の向きを変える
ことにより半閉鎖領域にも等深線が生成できるようになりました。
(前処理に半日余分にかかるようになりましたが)
今回の作図はLoop計算を1530回行った図ですが、回数を増やすともう少し均等な間隔
の等深線が書けるのですが時間対効果が小さいので1530回で打ち切りました。
今のノートパソコン(i7-2670QM、8GB)で、Loop計算30回(1セット)に約4分かかるので
ここがネックになります。
Excelでメモリ8GBを使い切ってしまうのでこのパソコンでは限界かなー(^_^;)
「3D湖底地形図について」
1,ここで使用している湖のDEM水深データは、電子国土Webの簡易等深線をトレース
して得た等深線から、R1(ブログの作成者)が補間により生成したDEMデータで
公式なものではありません。
湖の公式で詳細な等深線を知りたい方は下の国土地理院HPを参照ください。
調査実施湖沼一覧
http://www.gsi.go.jp/kankyochiri/koshouchousa-list.html
2,水深の浅い湖は立体感を得るために水深倍率を、数倍~数十倍で描写している
ものがあります。
水深の倍率はエクセルで作る3Dグラフの垂直断面の比率で合わせていますが、
図を回転させたり、3Dの交差法で見ると水深方向が誇張されて見えます。
そのため急に見える湖底の斜面は実際にはもっとなだらかな傾斜角です。
実際の水深は、等深線カラーを参照ください。
出典:下記のデータをもとにR1が作成。
図1,2,3:等深線データ・地理院地図(電子国土Web)
http://maps.gsi.go.jp/#14/43.450364/144.100714/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0
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