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2017年5月21日 (日)

西之島の地下はどうなっている?

                                   (西之島シリーズ目次 No.101~)

 西之島、最近天からの啓示が下りて来ないので、地から探ってみたの巻です(^_^;)

 西之島の地下がどうなっているのか知りたくて、伊豆・小笠原海溝の地下構造図(断面に
おけるP 波トモグラフィー図)を見てみると、

 

 

図1、伊豆・小笠原海溝の地下構造図(断面におけるP 波トモグラフィー図

Nishinosima_tika_1

 

図の説明
『図 3(右上).2015 年小笠原深発大地震の震央北側の 5 断面における P 波トモグラ
フィー。赤色から青色に遷移するにつれて P 波速度が増す。海溝から沈み込み、マントル
遷移層(深さ 410~670 km の黒線で囲まれた領域)に横たわるスラブが明瞭にみられる。
図 4(右下).伊豆・小笠原海溝南側の 4 断面における P 波トモグラフィー。断面 7(b)が
2015 年小笠原深発大地震の震源(☆)を通る。スラブはマントル遷移層を突き抜けて下部
マントルまで沈み込んでいる。

この結果、以下のことが明らかとなりました。
① 伊豆・小笠原海溝から沈み込んだ太平洋スラブは、地震波速度が顕著に大きい領域と
して明瞭にイメージングされた(高速度域、図 3~図 5 の青色部分)。その先端は北緯 28˚
付近で断裂しており、北側ではマントル遷移層(注3)内に横たわっているのに対し(図3)、
南側ではマントル遷移層を突き抜けてほぼ鉛直に沈み込み、下部マントルにまで達して
いる(図 4)。
② 2015 年小笠原深発大地震は、南側の鉛直に沈み込んだ太平洋スラブ内部の、深さ
667.2±0.5 km で発生した。またこの場所は、スラブと周囲のマントルとの東側の境界
付近である(図 5)。  (出典元よりここまで引用)』」

 

R1メモ
 なぜ、P波トモグラフィーからスラブ(青色部分)が解る?
『一般に固いものや温度の低いものほど地震波速度は速くなります
三次元地震波速度構造からプレートが見える、という話を聞いたことがありませんか?
日本海溝から日本列島の下に沈み込んでいる太平洋プレートは、温度の低い地表から、
高い地球の内部に沈み込んでいます。このため、プレートはまわりより温度が低く、地震波
速度が速い場所としてイメージすることができるのです。(下記より引用)』
地震調査研究推進本部 地震波速度 
http://www.jishin.go.jp/main/herpnews/series/2012/sep/yogo.htm

 

 

断面7を拡大したのが下の図2です。

Nishinosima_tika_2b

 

図1,2から
①伊豆海溝では、太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に潜り込んでいて、伊豆諸島
の地下はフィリピン海プレート層である。
②西之島から小笠原海溝付近では、太平洋プレートが地下400Km付近で途切れ、潜り込
め無くなったスラブが西之島直下に屈曲して地表面近くまで盛り上がり西之島直下のフィリ
ピン海プレートは西側に押し出されているように見える※。(断面7)
   ※R1の推測であり、出典元に記載されているものではありません。
そのため西之島で噴出しているマグマが発生するのは伊豆諸島の火山帯のようにフィリピ
ン海プレート内ではなく、
    スラブ層の中で発生→スラブ層を上昇しながら成長→西之島から噴火

「西之島海底火山の噴出物は一般の火山には見られない大陸成分の安山岩が多く含ま
れていると報告されています」がこんな所も関係しているのでしょうか?
ここから先は、地学の知識のないR1にはネットで検索してみてもチンプンカンプンです(^_^;)

 

R1メモ
小笠原舟状海盆はなぜここにあるのか不思議に思っていたのだが、下から押し上げてき
たスラブが表層に表れて平坦な小笠原舟状海盆ができ、そこにあった小笠原諸島を東側
に押しやったのではないか?(なんて考えてみるのだが・・・)

 

 

 海底地形を見て何か解るかも?と、「伊豆・小笠原海溝周辺の3D海底地形・交差法」も
載せておきます。

図3、150 m グリッドDEM から作成した伊豆・小笠原海溝周辺の3D海底地形
    3D立体図・交差法 (左クリックで拡大)

Izuogasawara3d1

注意:水深(垂直比)は誇張されて見えています。
 1,小笠原海溝の最深部で、-9,780m
 2、緯度27度で、経度1度の長さは、99.26Km

 

 

図4、西之島付近の拡大 3D立体図・交差法 (左クリックで拡大)

Izuogasawara3d2

 

 

R1メモ
 下記の出典元には、もっと詳しい専門的な地形の解説や図があります。
もっと詳しく知りたい方は、是非一読ください。

画像の出典、文の引用:下記をもとにR1が作成。       

図1,2:東北大学大学院理学研究科 2015 年小笠原深発大地震を解剖するhttps://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20170314_02web.pdf
 
図1-4:海上保安庁海洋情報部研究報告第52 号 平成27 年3 月2 日
150 m グリッドDEM から作成した伊豆・小笠原海溝周辺の3D 海底地形http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/KENKYU/report/article.html#rhr52

 

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