西之島、温度パターンで見る溶岩トンネル 2017/05/02
LandBrowserが4月末から更新されなくなり、ランドサット8による西之島の再噴火の情報
が入手できません。
ASTER画像が定期的に更新されているようなので当面はASTER画像で西之島を見ること
になりそうです。
今ブログで扱える情報は他に、海上保安庁の観測データとひまわり8号しか有りません。
今回はちょっとティーブレークして、溶岩トンネルを温度パターンで見てみました。
海上保安庁の過去の観測データでは、高温の溶岩が内部を流れている溶岩トンネルを
明確に確認できる画像が見当たらなかったのですが、2017/05/02の観測では空中写真で
新しい溶岩トンネルが明確に判別でき、高温の温度パターンと綺麗に一致しています。
下図は、空中写真にサーモカメラによる高温部のパターンを重ねたものです。
図1、西之島 2017/05/02 溶岩流の流れた位置と高温部表示 (アニメーションGIF)
両側面が白っぽく中央が黒で流れた跡に見えるのが溶岩トンネルです。
温度パターンを重ねてみると、溶岩の流れが続いているところは高温、止まりかけていると
ころは残熱の低温になっているのが確認できます。
西側の溶岩流は流出量が落ち、一方南側に流れた溶岩流は強い1本の流れとなって継続
しているようです。
西側と南側に流れた溶岩流の量の明暗を分けたのは、火砕丘を12時から9時の方向に回
る裾野の溝とそこから南の海岸へ続く谷状の一本道が溶岩トンネルの幅が広がらずに高
さ(厚み)を持った溶岩トンネルが形成されて、流出した溶岩が冷えにくくなっているものと
思われます。(図2)
※立体視で見ると、地形の凹凸がはっきり確認できます。
図2、西之島 2017/04/25 溶岩流の分布(3D・交差法) (左クリックで拡大)
西側は斜面の傾斜はあるものの深い谷部が無いため溶岩が平たく広がり冷えるのが
速かったのではないでしょうか?
西側に溶岩流が流出し続ければ水深の浅い所なので西之島の面積拡大に期待できたの
ですが、南側はすぐ水深が深くなるため西之島海底火山の裾野に広がるだけで面積拡大
は期待できません。
海鳥の生息が確認されていた旧島台地は約53℃になっていて、もう海鳥の生息できる
環境ではありません。
海鳥は島内の安全な場所か、東に約130Km離れた小笠原群島に移動できたでしょうか?
海鳥は避難するために東に向かえば約130Km先に小笠原群島がありセーフですがそれ
以外の方向だと・・・
どうやって進路を決めているのでしょうか???
R1メモ
西之島、「ひょっこりひょうたん島」化計画。
ひょっこりひょうたん島の大きさは、最長部で8,000m(らしい?)
西之島の約2x2Kmよりも大きな活火山島が海に浮いて流れているとういことは西之島も
浮島にできるのではないか?
でも、どうやって???
空想科学読本でこのテーマ、やってくれないかな(^_^;)
出典:下記の画像をもとにR1が作成。
1,海上保安庁・西之島の噴火について (5月2日観測)図2,3
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KIKAKU/press/2017/20170510.pdf
2、東京大学地震研究所 HP:西之島2017年噴火による溶岩流の分布と推定される噴出率(続報)
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/2017/04/21/2013%e5%b9%b411%e6%9c%8821%e6%97%a5%e8%a5%bf%e4%b9%8b%e5%b3%b6%e3%81%ae
%e5%99%b4%e7%81%ab%e6%b4%bb%e5%8b%95/
3、国土地理院HP:西之島立体図 2017/07/25
https://saigai.gsi.go.jp/2/20131120nishinoshima/nishinoshima_3d/20160725/3D/20160725nishinoshima_all.html
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