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「疑似ハイレゾ音源」の最新バージョンの紹介記事です。
疑似ハイレゾ音源の最新バージョン
http://r1rawd.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-40adca.html
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より原音に近くを目指して新規に「高域補間 N-ハイレゾ音源 Ver.3」を開発しました。
Ver.2では可聴帯域の2,3倍音を作り合成していましたが倍音成分が少し粗すぎました。
それでもハイレゾ音源の雰囲気は出ていたと思いますがハイレゾ音源と聞き比べると・・・
今回のVer.3は補間の原理を変え、よりハイレゾ音源に近づけています。(と思います(^_^;)
1、「高域補間 N-ハイレゾ音源 Ver.3」の原理
高域補間 N-ハイレゾ音源 Ver.3の原理はアップサンプリング時にできる折り返し
スペクトラム(※1)の、fs-1.5fsにできるsame imege を0.5fs以上の高域補間用スペクトラム
に変換して挿入します。
図1 「高域補間 N-ハイレゾ音源 Ver.3」の作り方(概要)

高域補間用に変換したsame imageスペクトラムは、原音と数学的に相関がありますが整数
倍の倍音ではありません。
理論的に、原音と相関はあるが倍音ではない高域ノイズ成分?を加えて、はたして高域補
間になるのかはわかりませんがやってみると好結果です。
Ver.3の作成は手作業になりますがその手間を掛けるだけの結果が得られますので、ぜひ
試してみてください。
※1 通常のアップサンプリングに使うソフト(Audaccity 2.0.6 等)はオリジナル音源以上の
帯域をフィルタリングしています(図3の5)が、SoundEngine ver.5.21は折り返しスペクト
ルが少し減衰?して出てきます(図3の4)。
(SoundEngineはフィルターONの機能があるかもしれませんが初期でこうなります)
今回の Ver.3の作り方はこの波形を見て思いつきました。
2、「高域補間 N-ハイレゾ音源 Ver.3」の作り方。
作成には、SoundEngine ver.5.21 と Audaccity 2.0.6 を使います。
(※私が今使っているVerです)
2-1、オリジナル音源(44.1KHz,16bit、WAV)を用意します。
mp3などは、WAVに変換しておいてください。(図1の1 例 org.wav)
2-2、SoundEngine ver.5.21でオリジナル音源を、176.4KHz,32bit に変換
(図1の3 例 org_x4.wav)
a,開く → org.wav
b,編集・フォーマット変換
サンプリング周波数 176400Hz
ビット数 32bit
チャンネル数 2ch
品質 非常に高い
c,別名保存 → org_x4.wav
d,SoundEngine ver.5.21 を終了
2-3、オリジナル音源をアップサンプリング(図1の2 例 org_176-32..wav)
※以下の操作は全て、Audaccity 2.0.6 を使用します。
a,ファイル→開く→ org.wav
b,プロジェクトのサンプリング周波数(Hz) → 176400
c,ファイル→オーディオの書き出し→オプションで32bit → org_176-32.wav
d,ファイルを閉じる(波形BOXのX~バツを押して消す)
※Audaccityはファイルを開くたびに新規のウインドウを開くので
操作の終わったウインドウは消した方がメモリーの節約になる?
2-4、same imege のファイル(org_x4.wav)を読み込んで、
ピッチの変更(-50%)、バンドパスフィルター(BPF 22.5-33KHz)の処理。
a,ファイル→開く→ org_x4.wav
b,エフェクト→ピッチの変更→周波数 変更率(%) を-50% でOK (図1の4になります)
c,エフェクト→イコライゼーション 22.5-33KHz のバンドパスカーブ(1回目)
※イコライゼーション後は波形の振幅がほぼゼロになりますがちゃんと高域は残って
います。
図2 22.5-33KHz のバンドパスカーブ

d,もう一度、エフェクト→イコライゼーション 22.5-33KHz のバンドパスカーブで(2回目)
※ 折り返しノイズが出ない様に帯域外を急遮断するために、イコライゼーションを
2回通します。
e,ファイル→オーディオの書き出し→オプションで32bit → org_x4-BPF.wav (図1の5)
f,ファイルを閉じる(波形BOXのX~バツを押して消す)
2-5、オリジナル音源と高域補間成分をミキシングします。
a,ファイル→開く→ org_176-32.wav
b,トラック→新しく追加→ステレオトラック(ここにこの後にコピーしたorg_x4-BPF.wavを
ペースト)
c,ファイル→開く→ org_x4-BPF.wav (別ウインドウで開きます)
d,編集→コピー
e,1つ前のウインドウの追加したステレオトラックにペースト(図1の6)
※ペースト後はorg_x4-BPF.wavを読み込んだウインドウは不要なので閉じます。
f,org_x4-BPF.wavの波形BOXのスライダーで高域補間成分のゲインを調整します。
ゲインによる聴感の変化
+6db RICH 柔らかい感じ。ボーカル向き?
0db RICH & CLEAR オリジナルのハイレゾ音源に一番近い。楽器向き?
-6db CLEAR 硬い感じ。高域が落ちているオリジナル向き?
※ +6~0~-6dbの変化は、私にはわずかに感じる程度の差です。
聞き比べるほどに???となるレベルなので、後は好みで調整してください(^_^;)
g,プロジェクトのサンプリング周波数(Hz) → 88200
h,ファイル→オーディオの書き出し→オプションで24bit → org_mix.wav (図1の7)
i,Audaccityを終了して完了です。
3、高域補間 N-ハイレゾ音源Ver.3 製作過程の各波形
1、聴感の再現基準としたバイオリンのハイレゾ音源 96KHz,24bitです。
2、CD品質の3から、なんちゃってハイレゾ音源Ver.3で高域補間したもの。88KHz,24bit
3、高域補間を行うCD品質音源(1のハイレゾ音源をCD品質44.1KHz,16bitに変換)
4,5,6は製作過程の中間音源です。
4、3をSoundEngineでアップサンプリングしてできた、折り返しスペクトラムです。
5、3を176.4KHz,32bitにアップサンプリングしたもので、合成後の可聴帯域です。
6、折り返しスペクトラムのsame imageから作成した、合成後の高域補間帯域です。
図3 高域補間 N-ハイレゾ音源Ver.3 製作過程の各波形

4、その他
4-1、 アップサンプリング(176.4KHz)のファイルは演算誤差を小さくするために全て32bitで
行っています。
間違えて他のbit数(16,24)と混在しない様に注意してください。
4-2、 最終ファイルは帯域と書き出しファイルのサイズを考慮して、88.2KHz,24bitにしてい
ます。
176.4KHz,24bit でもOKです。
4-3、 アップサンプリングは、44.1KHzの整数倍である、88.2 or 176.4KHzにしています。
整数倍にならない、96,192KHzは音質が微妙に変化するのでお勧めしません。

