「ひまわり8号リアルタイムWeb」で新しく「24時間地球」が公開されています。
ずーっと見たいと思っていた、全16バンドの画像を見ることが出来ます。
今までオリジナルの16バンドデータを見るのは重くて手が出せなかった領域でしたが、
簡単にアクセスできるようになっています。
画像として提供されているデータは、専門家が使うものではないので解像度、レンジなどは
低いですが、
気象関係者ではない私が趣味で見るには十分なものです。
で、見ているうちに各バンドの画像は何が違うのだろう?
バンド単体で見ていても分からないので、16バンド同時に見て画像比較できるようにして
みました。
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追記(2016/10/26)
16バンドの詳しい説明と、目的別のRGB合成の説明資料です。
第6章 ひまわり8 号RGB 合成画像の基礎
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/yohkens/21/chapter6.pdf
量的予報技術資料(予報技術研修テキスト)
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/yohkens/yohkens.html
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追記 2016-12-12
ひまわり8号のバンド13画像から雲の動きを立体的に可視化したビデオ・画像を作ることが出来ます。
1、ひまわり8号で見る、24時間地球 3Dビデオ
http://r1rawd.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/824d-1dc7.html
ひまわり8号から見える地球全図の雲の動きを3D立体ビデオ・画像にしています。
2、台風10号の3D立体動画を作ってみた。
http://r1rawd.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/10d-ff93.html
「台風10号 2016/8/26 00:00~2016/08/28 23:50 10分間隔画像」
から、3D立体ビデオを作成しています。
※3D動画(交差法)を見るのが苦手な方は、一時停止して静止画として見て下さい。
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①観測対象
珍しいものは?と言うことで、100個に1つの超大型台風と言われている、台風23号。
2015/10/07 00:00~23:40(10分間隔)の画像をビデオ化してみました。
観測範囲は下の(図1)の白枠内です。
図1、「ひまわり8号 全16バンド」の描写範囲

R1メモ
「地上から高さ10~16kmまでの大気の層は、対流圏と呼ばれ、雲や降水などの天気
現象は対流圏で起こります。(気象庁HPより)」
描写範囲の動画(図9,10,11,12)を、15.6型モニター(横345mm)
フルスクリーンで見ると、
対流圏の高さ(16Km)は約 1mmになります。
台風23号もモニター上では、高さ1mmの中で起きている気象現象です。
嘘だー・・・と言いたくなるほど、もっと厚みのある映像に見えます。
100年に一つの大型台風も地球規模で見ると、薄っぺらい現象なんですね!

※「ココログ・ブログ」の仕様で、このページでは動画をフルスクリーンで再生できません。
動画の右下にある、「www.youtube.comで視聴する」をクリックして直接youtubeで見ると
フルスクリーンで見ることが出来ます。
図3,5,7はChromeで見ると、4Kで見ることが出来ます(Win7+IE11は4K不可)
②ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の仕様
図2、ひまわり8号の可視赤外放射計

R1メモ
ひまわり8号の衛星画像から何が読み取れるのか?
『(以下 資料※1から引用)
①衛星画像(可視画像・赤外画像・水蒸気画像)の見方
1.衛星画像とは
気象庁は、静止気象衛星を用いて、雲などの観測
を宇宙から行っています。
この衛星は、赤道上空約3万6千㎞の高度で、地球の自転と同じ
周期で地球の周りを回っ
ているため、いつも同じ範囲を宇宙から観測することができます。
これにより台風や低気圧、前線といった気象現象を連続して観測することができます。
2.各画像の特徴
・可視画像
可視画像は、雲や地表面によって反射された太陽光を捉えた画像です。
厚みがある雲ほ
ど太陽光を強く反射するためより白く写ります。
よって、発達した雲ほど白く写るという
特徴があり、視覚的にわかりやすい画像です。
夜間は太陽光の反射が無いことから、夜間
の雲は可視画像に写りません。
・赤外画像
赤外画像は、雲から放射される赤外線を捉えた画像です。放射される赤外線の強さは
雲
の温度により変化する特性をもっており、高い高度にあって温度の低い雲を捉えやすく
よ
り白く表現しています。ごく低い雲や霧は、赤外画像にはほとんど写りません。
なお、高
い高度の雲には、夏の夕立や集中豪雨をもたらす積乱雲のような厚い雲もあれ
ば、晴れた
日にはるか上空に薄く現れる巻雲のような雲もあります。
このため、白く写っている雲が
雨をもたらすとは限りません。
可視画像と比較しながら見ると、雲の種類の違いが分かる
場合もあります。
可視画像とは異なり、夜間でも雲の様子を捉えることができます。
・水蒸気画像
水蒸気画像は赤外画像の一種で、大気中にある水蒸気と雲からの赤外放射(6.8ミクロ
ン
帯)を観測した画像です。この 6.8ミクロン帯の赤外線は、大気中に存在する水蒸気に
よく吸収されると同時に、その水蒸気からの放射が行われる特性を持ちます。
この特性を
利用して、水蒸気画像は、雲がないところでも対流圏上・中層にあるごくわず
かの水蒸気
からの放射を捉えることができ、その対流圏上・中層の水蒸気が多いところを
白く、少な
いところを黒く写るように処理が施された画像です。
水蒸気画像からは、上空の大気の湿
り具合が分かるだけでなく、複数の画像を動画とし
て見ることで、水蒸気の流れを介して
上空の大気の流れを見ることができます。
(引用 終わり)』
資料※1 出典:秋田地方気象台「各種気象資料の見方」より抜粋・引用
http://www.jma-net.go.jp/akita/akita_shizensaigai/bousai-info/eisei.pdf
↑はリンク切れのようです。 ひまわり8号になってからの資料はこちらです
衛星観測画像について
http://www.jma-net.go.jp/sat/data/web/satobs.html

③「全16バンド画像」を、3種類作りました。
16バンドの画像を、オリジナルと加工を施した2種、計3種類作りました。
1、ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の画像 「False color」 (図3,4)
公開されているオリジナル画像は、本来のモノクロ画像に日本列島(グリーン)や海(青)
の位置が判別できるように彩色(False color)
されています。
(可視光バンドでは夜間真っ暗になっても背景として残ります)
図3、ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の画像 「False color」 (動画)
図4、ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の画像 「False color」 at 12:00

2、ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の画像 「モノクロ画像」 (図5,6)
16バンドの彩色された画像(False color)
から原画(モノクロ画像)を擬似復元したものです。
(各バンドの画像から、背景(陸地・海)の画像を減算して得ています。
図9,10,11,12のカラー合成時に、このモノクロ画像を使用しています)
図5、ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の画像 「モノクロ画像」 (動画)
図6、ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の画像 「モノクロ画像」 at 12:00

3、ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の画像 「輝度-温度カラー変換」 (図7,8)
バンド7(自然火災)、14,15(海面水温)とあるので、明るさと温度に関係があります。
モノクロ画像の輝度に温度カラーを割り付けてカラー化してみました。
※ バンド7,14,15以外は用途欄に温度とは無いので、明るさをカラーに変換した
アートとして見て下さい。
図7、ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の画像 「輝度-温度カラー変換」 (動画)
図8、
ひまわり8号 全16観測バンド(波長)の画像 「輝度-温度カラー変換」 at 12:00

④画像の加工をしてみた。
ひまわり8号の画像データは単独で使われるのではなく、各バンド間の演算(カラー合成
、加算、減算 等)を行って、必要なデータを抽出しています。
演算の目的・内容は、「ひまわり8号の画像を見てみたい、けれど気象知識は理科の時間
だけ」の私には?なので、こうすれば見た目に綺麗の組み合わせでテストしてみました。
※演算の目的、方法を探してみたのですが、具体的な解説資料が見つからなかっ
たので、「こうしたら綺麗に見えた!」と言う自己流で加工してみました。
下の動画は、気象観測的に裏付けのない演算なので アートとしてみて下さい(^_^;)。
図9、カラー合成 RGB=3,2,1 (ナチュラルカラー)
ひまわり8号の目玉。 カラー化された画像が得られるようになりました。
図10、カラー合成 RGB=4,5,3 (組み合わせに意味なし)
バンド間の違いがよく解る組み合わせです。(組み合わせに意味はありません)
図11、カラー合成 RGB=8,9,10 (上・中・下層の水蒸気量)
上・中・下層の水蒸気量を重ねてみました、ふわっとした感じの空気の流れを感じます。
図12、カラー合成 RGB=13,14,15 (雲画像)
バンド13,14,15は雲画像ですが、何の違いがあるのか? よく解りません(^_^;)
画像の出典:
1,ひまわり8号バンド1~16画像
NICTサイエンスクラウド ひまわり8号リアルタイムWeb
http://himawari8.nict.go.jp/ の「24時間地球」画像をもとに作成。
2,ひまわり8号の可視赤外放射計(AHI)「ひまわり高頻度観測について」
http://www.mri-jma.go.jp/Project/cons/data/HimawariRapidscan.pdf より図を引用
