ひまわり8号で瀬戸内海の潮流が見えるのか
ひまわり8号のカラー画像で瀬戸内海を見ていると、海域に「モヤモヤ」が見えます。
この「モヤモヤ」は何だろうと画像を加工してみると、潮流の流れのようなパターンが抽出
できました。
本当に潮流の流れが見えているのか確認するため、当日の海上保安庁の潮流図と重ね
て流れの向きや大きさが一致しているかどうか調べてみました。
①使用したひまわり8号の画像
確認に使用したひまわり8号の画像は、瀬戸内海上空に雲がほとんど無い日(2016/03/03 07:00~17:00)。
雲がほとんど見えない日なので、雲を潮流と見間違えてはいないはずです。
画像は、「NICTサイエンスクラウド ひまわり8号リアルタイムWeb」のカラー画像を使用して
います。
図1、ひまわり8号のカラー動画(2016/03/03 07:00~17:00)(オリジナル)
瀬戸内海の「海域のモヤモヤ」が解るでしょうか?
トリミング、リサイズ以外の加工は行っていません。
この動画から画像処理で、図2の「海域のモヤモヤ」を抽出します。
②図1の「海域のモヤモヤ」を画像処理で、潮流?として見えるように加工した動画
潮流の流れ?と思われる「海域のモヤモヤ」を強調してカラー化した動画です。
当日の潮流の向きと速さが確認できるように、海上保安庁の潮流図(2016/03/03 7:00-16:00)
の矢印を重ねています。
図2、ひまわり8号で瀬戸内海の潮流が見えるのか?
動画を早送りしないと「モヤモヤ」の流れが認識できません。(変化が解らない)
早送りした動画は24秒と短いので何回も見て確認できるように10回繰り返しています。
動画からは、潮流表の流れ方向と「海域のモヤモヤ」とした流れの向きがなんとなく
一致しているように見えます。
本当に、ひまわり8号で潮流が見えたのか?
もし見えているとしたら、何がどんな理由で見えているのか?
使用した画像は可視光によるカラー画像(RGB=バンド3,2,1)なので、可視光の範囲で見え
ている現象です。
潮流の流れのように見えている「海域のモヤモヤ」の移動速度はかなり早いです。
速吸瀬戸の流れを左下の時計を見ながら大まかな速度を測ると約50Km/hにもなります。
潮流の速度は早い所の鳴門、速吸瀬戸などの狭水道でも、5~10ノット(約9~18.5km/h)
で、「海域のモヤモヤ」の速度より遅いため、潮流の流れが直接見えているとは考えにくい。
過去の記事(瀬戸内海の、3D海底地形図(シリーズ11) )で、潮流の潮位変動の波の速さ
を求めたことがありますが、その時の速度は約43Km/hと今回の「モヤモヤ」の速度と近い
ので、潮位変動の波が見えている可能性が思い浮かびました。
潮位変動で上下に振動して伝わる波面の凹凸によって生じる反射光の明るさの変動が
進行波として見えているなら、移動速度が速い説明にもなります。
ひまわり8号で瀬戸内海の潮流のように見えた「モヤモヤ」は、
「潮位変動が伝わっていくときの海面の上下で水面の明るさが変動(凸凹の向きで反射の
強度が変わる)する進行波が見えていた」
と推論しました、がどうでしょうか?
「モヤモヤ」が潮流と関係ないことも有りえます。その場合の見間違いとして考えられる
要因は
1、ひまわり8号のオリジナル画像では見えない薄い雲が増感処理で見えるようになり、
偶然に潮流のように見えている。
2、画像を増感しているので、ひまわり8号のノイズが見えている。
などが考えられますが、私的には「潮流が見えた」と信じたい(^_^;)
※この記事の「ひまわり8号で瀬戸内海の潮流が見えるのか?」は私の仮説です。
本当に見えているかどうかの理論的な裏付、検証がありません。
ひまわり8号の画像からこんなことも想像できるんだ。ぐらいに読んでください(^_^;)
画像の出典:下記の画像をもとに作成しています。
1,NICTサイエンスクラウド ひまわり8号リアルタイムWeb
http://himawari8.nict.go.jp/
2,瀬戸内海の潮流推算:海上保安庁
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/TIDE/curr_pred/Setonaikai.htm
3,時計:時計動画素材 mowsvideo さん
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