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2015年8月19日 (水)

西之島 海底に流れ出した溶岩はどこまで広がった?

                                          (西之島シリーズ目次)

 海上保安庁により西之島の海底調査(6月22日から7月10日の間)が行われました。
無人調査艇「マンボウⅡ」による西之島の4Km圏内の海底地形図が公開されるのを
首を長くして待っているのですが待ちきれません(^_^;)

 

 

 公開を前に、直近の西之島の輪郭※1(2015/07/23 Landsat8)を噴火前の海底地形図
(1992)に重ねて、陸地と海底の間の溶岩流の堆積が(分からないので)無いと仮定した、
3D海底地形図で、溶岩が堆積していると思われる部分の段差を確認してみます。
陸と海底の段差部分がどのように溶岩流によって埋められているか、公開を前に予想して
みてください。

   ※1,一番新しい、Landsat8-2015/08/11の夜間・熱/近赤外線画像で、7/23よりさらに
     東側、南側に拡大しているのが解っています(輪郭は夜間なので不明)。

 

図1、西之島はどこまで広がったか?  3D立体写真・交差法 (左クリックで拡大)

    直近の西之島の写真(Landsat8 2015/07/23)を、海底地形(1992)の上に置いて、
   西之島海底火山山頂部に対する大きさの比較です。

Nisinosima_20150723_3dc

 

 中央火口の、東・南東の溶岩の張り出し部分は、水深100m付近まで埋め立てています。
これ以上の深さは、溶岩で埋まるより斜面に流れ落ちていく割合の方が多いので停滞気
味でしょうか?

 今回の調査で新しい海底地形図が公開されると、改訂版の3D海底地形図を
作るのが大変だけど、楽しみでもあります(^_^;)
今回、西之島の陸上部分は最近の3Dデータが国土地理院から発表されていないので
平面図(写真)です。こちらの最新データも待ってます。(噴火が落ち着くまで無理かな?)

 

 

 ここからは直近の西之島(2015/07/23)を3D海底地形図(1992)に重ねて、海底に流れ出
している溶岩が無い(解らない)陸部と海底の不連続な3D海底地形図(※2,3)です。
図は、上段が傾き=20°の3D図、下段が手前真横から見た図になります。

この図を見ながら、「どの辺までどのくらいの量の溶岩が流れて堆積しているのか?」
推測しながら不連続部分を埋めて見て下さい。
貴方の推測が当たっているかは、海底調査結果が発表されるまで待ちましょう。(^_^;)

 

   ※2, 3D海底地形図は、水平・垂直比を約1:1で作成しているので、斜面の角度も
       ほぼ同じです。
    ※3, 西之島の輪郭は20mメッシュ、海底地形図は80mメッシュのDEMデータから
       作成しています。

 

図2、西之島 海底に流れ出した溶岩はどこまで広がったか? (1) N=335° (左クリックで拡大)

Nisinosima_20150723_65

 

 

図3、西之島 海底に流れ出した溶岩はどこまで広がったか? (2) N=0° (左クリックで拡大)

Nisinosima_20150723_90

 

 

図4、西之島 海底に流れ出した溶岩はどこまで広がったか? (3) N=60° (左クリックで拡大)

Nisinosima_20150723_150

 

 

図5、西之島 海底に流れ出した溶岩はどこまで広がったか? (4) N=90° (左クリックで拡大)

Nisinosima_20150723_180

 

 

    R1メモ

     方位角? 戸惑いました(^_^;)
     海図では、北=0、東=90、南=180、西=270° なのですが、
     電気屋さんには、右(東)=0、上(北)=90、左(西)=180、下(南)=270°なのです。
                                                     

 

 

 西之島の広域・3D海底地形図(30Kmx30Km)も参考に載せました。
下の図6は以前作った、「西之島を中心に30Kmx30Kmの3D海底地形図」です。
上記の記事では、斜めからの鳥瞰図(鯨観図)も見ることが出来ます。

 

図6、西之島海底火山 500mメッシュ水深データによる3D海底地形図
     3D立体写真・交差法 (左クリックで拡大)

Nisinosima_3d_500m

 

西之島から4.5Km圏外は、2015/06/11~06/21に「JAMSTEC,産総研,地震研の共同研究
チーム」によって行われた最新の海底調査(※4)では海底地形に顕著な変化がないことが
確認されています。

図7、6/11~6/21の調査で取得された最新の地形データ

Nisinosima_kaiteitikei_20150611

 

  ※4,海洋調査船による西之島および周辺海域の学術調査研究 (図7の出典元)
     http://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20150715/
     ※西之島近傍は海上保安庁ウェブより引用で、旧地形です。

 

 

注意:  図1~図5の、西之島のスケール換算、座標、3D図の水平:垂直比の算出には
     注意しましたが正しいかどうか・・・
     間違いがあるかもしれないことを前提に参考図として見て下さい(^_^;)

 

資料の出典:図1~図5は下記よりダウンロードした写真、図を加工しています。

西之島の写真、輪郭:
”The source data was downloaded from AIST's Landsat-8 Data Immediate Release Site,
Japan(http://landsat8.geogrid.org/)Landsat 8 data courtesy of the U.S. Geological Survey.

等深線図:
気象庁 「西之島の火山活動解説資料(平成26 年12 月)~図2」
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/tokyo/14m12/326_14m12.pdf

 

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