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2015年7月 1日 (水)

西之島 2015/06/21 の地表温度分布を見てみる

                                          (西之島シリーズ目次)

 

 前回の記事で、ランドサット8の各バンド画像から高温部のアバウトな地表温度を推測
できることが解かりました。
今回は、ランドサット8の画像から西之島の地表温度分布を視覚化できるかどうか、
2015/06/21の画像でテストしてみました。

 

 

図1、RGB合成による高温部の表示

   画像処理の練習もかねて、リモートセンシングで多く使われているRGB合成による
  高温部の表示を作って見ました。
  3色(3要素)しか使えないので、R→BAND6,G→BAND7,B→BAND10 に割り当ててい
  ます。 そのため、BANB11はありません。
  高温部が重なると単色の色が変化してしまうので各BAND単独の高温部(色)を見る
  ことが出来なくなります。

Landsat8_rgb_20150621

 

 火口から出ている噴煙が思った以上に明るい。 
噴煙の太陽反射光と高温の溶岩部からの熱放射の強度が同じぐらいあるのでしょうか?

西之島の場合、太陽反射光と熱放射の区別対象は、噴煙と旧西之島部分、雲だけみたい
なので判別が付きやすいようです。

 

   R1メモ 

    32bit現像時のコントラストは校正基準が分からないので図1は0-255に割り振り。
   実際より明るめに出ているような気がするのですが暗いと良く見えないので。(^_^;)

 

 

図2、重ね合わせによる高温部の表示

   各バンドの観測温度が、高い>B6>B7>B11>B10>低い と仮定して、高温部分
  を抽出してレイヤーで重ねてみました。
  この方は温度分布を等温線的に直感で見ることが出来ます。
  但し、バンドごとの観測温度の高低順や、高温部分の温度閾値の決め方で誤差が大
  きくなるので参考図程度でしょうか。
  なぜか、旧西之島の先端部分がB6,7で高温部に表示されます。
  先端部の岩盤がフラットで白っぽいので太陽反射で明るくなっているからでしょうか?

Landsat8_b671110_gousei

 

 溶岩の噴出孔と南東部の溶岩流出部の間はB6,7に高温部が無いので温度が低い。
高温の溶岩(約1000-1100℃)は露出しておらず溶岩トンネルでつながっているようです。
溶岩トンネル部の表面は思ったより温度が低く、B11の最大観測温度約100℃より低い
(暗い)のが解ります。

 

  注意: 各バンドで表されている最高観測温度はある条件下での理論値(MAX)であり
      実際の観測温度ではありません。
      私には画像から温度校正できないので目安として表示しています。

 

ランドサット8による画像の出典:
Landsat-8 直接受信・即時公開サービス HPよりダウンロードした画像を加工しています。
http://landsat8.geogrid.org/l8/index.php/ja/

 

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