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「疑似ハイレゾ音源」の最新バージョンの紹介記事です。
疑似ハイレゾ音源の最新バージョン
http://r1rawd.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-40adca.html
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このページの記事:「なんちゃってハイレゾ音源 高域補間」(以下 Ver.1)は失敗作でした。
高域成分を適当に足せば「音が変わってハイレゾ化?」と大きな間違い(^_^;)。
帯域のバランスを欠いたとんでもない音質になっていました。
ノートパソコン+ヘッドホンで聞いているときには良く聞こえたのですが、DVD Videoに
96KHz/24bitで焼いてオーディオ装置で再生してみるとボーカルの中音域が強調された
不自然な音でした。
※このページは失敗作の記録として残しておきます。
今見ると、恥ずかしい限りです(^_^;)
追記 終わり 2015/05/16
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今週はアクアキャットさんがお休みなのでダイビングもお休みです
アップサンプリングで作った「なんちゃってハイレゾ音源」は、アップコンバートに使った
ソフトによって付け加えられた歪みとノイズ成分で、音がよくなった?変わった? と
勘違いしていたことに気付きました!
※詳しくは、前回のブログで見て下さい。
次なる手はと、高域補間機能があるソフト2種を試してみましたが、効果が分からなかった
り不自然に聞こえてしっくりこない。
(実は、パラメーターの使い方が難しすぎてよく分からなかった。 が本当のところです)
CDフォーマット(22.05KHz)などでカットされた高音、オリジナル音楽の周波数を2倍(倍音?)
にして足りない高域だけ抜き出し、オリジナル音源に足せばいいんじゃないかな?
と言う思い付きでやってみると、はっきりと分かる効果が感じられました!
本当のハイレゾ音源の音は知らないけれど、ハイレゾ音源のように?聞こえた
どんなふうによくなった?
・刺々しさがなくなった? ・透明な空気感? ・ボーカルの方の鼻づまりが治った?
・奥行き感が出た? ・アタック感が良くなった? ・抜けが良くなった?
言葉で表すのはディフィカルト(^_^;)
簡単にできるので、ぜひ試してみて下さい。(やり方は、下の②にあります)
追記 ※1 (2015/04/15)
(x2)のゲインを、-10db → -70db (オレンジ色部分の数値) に変更しました。
なを、Audacityは-36dbまでしかないので、-35dbを2回行ってください。
また、176KHz変換時に付加する(x4)倍音は、音質を下げることが分かりました。
なんちゃってハイレゾは、44.1KHz→88.2KHz、又は48KHz→96KHzのみ最適です。
詳細は、「DVD-Video(音声96KHz)でハイレゾ音源を聞く」に続きます。
①、なんちゃってハイレゾ音源~高域補間 のテスト
まず、ハイレゾ音源をCD品質にダウンサンプリングした音を、本当に元のハイレゾ音源に
戻せる(近づける)かテストしてみます。
ハイレゾ音源は持っていないので、ピンクノイズをハイレゾ音源に見立ててテストしてみました。
結果は、もとのハイレゾ音源に形だけは戻ったように見えますが?
この方法で何とかいけそう! 次は、実際の音楽で試してみます。
(比較するハイレゾ音源が無いので、オリジナルより「よく聞こえた」なら成功とします)
テスト音源には、下記のフリーボーカル素材を使わせていただきました。
※私は女性ボーカルが評価の基準なので、このサイトを見つけられて本当にありがたかっ
たです!
『VMwave FREE 2 -歌フリー素材2-』より
8,a wandering minstrel -Short Ver.- (minstrel_short.mp3)
作詞:ふうか まりを 作曲:阪神 総一 ボーカル:ふうか まりを
Trial & Error (http://www.tandess.com/music/)
オリジナル音源の帯域がこんな感じで広がります。
結果は大成功と思うのですが・・・ 音楽は好みの世界、自己満足でもいいんです(^_^;)
※波形変化を見てもらうためにyoutubeにUPしていますが、高域補間したハイレゾ音源を
youtubeにアップしても、(AAC 384kbps,44.1KHz(at 720P)に変換されて16-18KHzに
なってしまうので高域補間の効果が解りません。(逆に落ちています(^_^;)
テスト音源に15KHz-END のものを使えばこの差は分かったかもしれません。
下に、「なんちゃってハイレゾ音源~高域補間」の作り方があるのでぜひ試してみてください。
慣れると、1曲の変換に10分もかかりません。
大切に残していたカセットテープなどの古い音源(※)などを、ハイレゾ音源の雰囲気で
聞き直すと、きっと感動が・・・
※この方法は上限が10KHzぐらいしかない音源でも、それなりの効果が感じられました。
②、なんちゃってハイレゾ音源~高域補間 の作り方
注意:
ここからの操作は、約10KHzまでしか聞こえない私が音を確認しながら高域補間
用のパラメータなどを決めて音の操作をしています。
モスキート音などの高音が聞こえる方は不快に感じることがあるかもしれません。
最初は音量を上げずにモニターして、耳に不快感・異常を感じたら中止してください。
素朴な疑問?
10KHzまでしか聞こえない耳で、15KHz以上の高域補間した音楽の違いが
なぜわかるのだろう?
使った音楽編集ソフトは、前回のアップサンプリング・テストで使ったソフトの中で一番
波形の劣化が少なかった、「Audacity」。
フリーソフトなので、無い方はサイトからダウンロードしてください。
※制限は、WAV,mp3は読み込めますが、WMA,AACはプラグインが古いままなので直接
込みこめませんでした。
手順
全体の流れ ※1 176.4KHz,192KHz部分と、ピッチx4倍(4逓倍)部分を取り消します
1、音楽を取り込む
・サンプル音楽 minstrel_short.mp3
2、「プロジェクトのサンプリング周波数(Hz)」(左下)を、アップコンバート する
オリジナルが、44100Hz → 88200 or 176400 Hz
48000Hz → 96000 or 192000 Hz
・例では、88200 を選択
4倍アップサンプリングで、40-80KHzの高域補間データを付加するとより
高音質になります。
但し、変換作業とファイルサイズの増加、変換時間が長くなります。
・後で高域補間用の倍音を作るので、必ずオリジナルの整数倍でアップサンプリング
してください。
・書き出しは、24bitで行ってください。(32bitだと波形変化とノイズがでます。)。
3、オーディオの書き出し
・例:minstrel_short_88-24.wav (WAV、88200Hz,24bit で書き出してください)
4、minstrel_short_88-24.wav を一度閉じて、再読み込み
・この作業をしないと、次の操作が44100で行われてしまうためです
5、「解析・スペクトラムの表示」で波形を見て、オリジナル音楽の最高周波数から
「補間用高域成分」の下限(HPFの周波数)を決定します。
・HPFの周波数の目安
高圧縮音源で高域が大きくカットされているもの HPF-f = (fc-1KHz)/2
CD音源は、10KHz
※7項でピッチをx2倍にするので、50%とします。
・サンプル音源は、HPF=10KHz で作っています。
・HPFの周波数が低いとオリジナル帯域とオーバーラップする部分が出来て、波形が
強め合ったり打ち消し合ったりして、もたつくような感じになります。
(スペクトラムを見ると、オリジナル帯域の上限が盛り上がったりします)
その場合、0.5~1KHzぐらい上げて見て下さい。
・圧縮のmp3などは高域の変動(低下)が大きいので高域がカットされている部分では
不連続になりますが、スペクトラムで出る最大周波数を参考にしてください。
・今回の方式では、つなぎ目の段差(凹み)は完全に無くすことが出来ません。
気にしない気にしない(^_^;)
6、「エフェクト・High Pass Filter」で、
Rolloff → 48 db
Cutoff frequency → 5項で決めた値とします(サンプル音源は10KHz)
の操作を、10回行う
・カットオフ周波数は音源により変わります。スペクトラムから決めて下さい(図3参照)
・HPFの操作が1~3回ぐらいでは、HPF周波数より下限の音漏れが大きいので10回
としました。(※10回やっとけばOKかな?)
これはハイパスフィルターの遮断特性を急にして、オリジナル帯域に被さる部分を
少なくするためです。
・一度書き出します。例:minstrel_short_88-24_HPF10KHz.wav
7、高域補間用の倍音を作るため、「エフェクト・ピッチの変更」で周波数・変更率(%)を、
88.1KHz,96KHz → 100%(ピッチ2倍) で生成。
例の場合:20~40KHzの高域補間データになります。
更に、176.4KHz,192KHz にUPの場合、高音質化するなら 300%(ピッチ4倍) も
生成します。
例の場合、40~80KHzの高域補間データになります。 ※1
・ピッチを100,300%にした音楽は高域成分が大きいので、大きな音量で再生しないこと。
・出来上がった補間用の高域を書き出します。
例:minstrel_short_88-24_HPF10KHz_x2.wav (WAV、88200Hz,24bit)
※ x3(ピッチ3倍~200%)は、一見華やかに聞こえるのですが、歪っぽくて少し
耳が痛いように感じたので、今回は不採用にしました。
高域の"キンキン感"が好きなら試してみて下さい。
8、 更に、176.4KHz,192KHz にアップの場合、高音質化するなら 300%(ピッチ4倍)も
生成します。
・例の場合、40~80KHzの高域補間データになります。
・ピッチ4倍の超高域でも音の変化があるので、付加することをお勧めします。
・出来上がった補間用の高域を書き出します。
例:minstrel_short_88-24_HPF10KHz_x4.wav (WAV、176400Hz,24bit の時) ※1
※-14±1db のゲイン変化でも音が替わります。聞こえないはずの音でなぜ???
9、新規で、minstrel_short_88-24.wav を開く
10、「トラック・新しく追加・ステレオトラック」で、空のトラックを作る。
・176.4KHz,192KHzで、40-80KHzの高域補間をする場合、空のトラックを2本作ります。
11、高域補間用の「minstrel_short_88-24_HPF10KHz_x2.wav」
(及び、minstrel_short_88-24_HPF10KHz_x4.wav)を読み込む。
高域補間用の(x2),(x4)データを「編集・コピー」で取り込む。
・(x2),(x4)は個別に、コピー・ペーストしてください。
12、minstrel_short_88-24.wav の空のトラックに、(x2),(x4)のデータを「編集・ペースト」で
高域補間データを張り付ける。
13、高域側のゲインを調整します。(パネル左のミュート、ソロの下のスライダーです)
・最初は、-8db(x2)、 -70db(x2) -14db(x4を付加する場合) でミキシングして確認してみてください。
・ゲインは好みで、(x2倍) -65~75db -5~-10db、(x4倍)-10~-20db ぐらいで調整してみて下さい。
※数多くやっている内に最初は、(x2)= -70db -10db,(x4)=-14db がよさそうです。
・CD等の非圧縮音源で高音がきっちり入っている音源は、もう少しゲインを下げた
方がいいかもしれません。
モスキート音が聞こえる若い方は、もう少しゲインを下げた方がいいのかな?
・波形のつながりがスムーズになっているか、ミキシング後に波形解析ソフトの
グラフで確認すると、ゲイン調整がやりやすいです。
(FFT波形を見るのに、Wave Pad を使っていますが、アップサンプリングには
お勧めしません)
176400Hzにアップ後、ゲイン 0,-8,-14db でミキシングした波形例
音楽によっては波形のスロープがなだらかに繋がりませんが、なんちゃってハイレゾ音源
なので
14、完成ファイルの名前を付けて書き出します。
・書き出し時のゲインが解るように名前を付けるといいです。
例:minstrel_short_88-24_HPF10KHz_0-8-14db.wav
・出来上がったファイルサイズはものすごく大きくなります。
オリジナル:minstrel_short.mp3(1:33) → 2,188KB
なんちゃってハイレゾ(88.2KHz,24bit)→ 48,195KB
なんちゃってハイレゾ(176KHz,24bit)→ 96,391KB
お勧めは、4倍アップコンの176KHz、24bit HDDに余裕のある方は試してみてください。
15、出来上がった「なんちゃってハイレゾ音源」はサイズが大きいので、今のところ
パソコンでしか再生できないのが難点です。
・CDに焼いたりyoutubeにUPすると、ハイレゾの効果が無くなります。
試しに、youtubeにハイレゾ音源(720P,WMVロスレス 88.2KHz,24bit)でUPしてみまし
たが、AAC 384Kbps 44.1KHz(at 720P)に変換されて約16~18KHzでカットされて
しまいます。
・オリジナル音源がカセットテープや、mp3などの低レートの圧縮音源(上限が15KHz
ぐらい図3の③)ならハイレゾ(88.2KHz,24bit)化した後、CD品質(WAV,44.1KHz,16bit)
にダウンしてCD化しても効果が有りました。
③目で見る、ハイレゾ音源とCD音源、アップサンプリング音源
ハイレゾ音源のサンプルが入手できたので、シミュレーションにより
①ハイレゾ音源 192KHz,24bit
②CD音源 44.1KHz,16bit
③アップサンプリング音源 192KHz,24bit
④アップサンプリング+高域補間 192KHz,24bit
を作って、波形の変化(劣化)を見てみました。
1)ダウンサンプリングで、ハイレゾ音源にある22KHz以上の高域を失ってしまうと、
その後にアップサンプリングや高域補間を行っても原音波形の再現は難しい。
2)CD品質にすると、こんなにも「カクカク」した波形になるのは初めて知りました!
そんなCD音源を、アップサンプリングするとハイレゾ音源に似てくるので音質向上の
効果がある?
と思いがちですが、CDプレイヤーやハイレゾ対応ポータブルプレイヤーは内部で
8倍オーバーサンプリングなどの補間を行っているので、結局聞いているのは
アップサンプリングした③に近いものです。
そのため、アップサンプリングのノイズ処理やDA変換後のアナログ回路の優劣の違いで
音質に大きな差が出ます。
3)なんちゃってハイレゾ音源は、高域補間として単純に倍音(x2,x4)をレベルを下げて加え
ているので、 波形に細かな凸凹の変化が出ます。
高域補間で、スペクトラム的には擬似的な高域成分が付加されていますが、原音波形
には程遠いです。
でも、このわずかな差が「なんちゃってハイレゾ」の効果として出るんですね!
もう、カテゴリーがメチャクチャです