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2014年5月31日 (土)

水中3Dマクロ撮影用・プリズム式3Dアダプターのテスト

 水中3Dマクロ撮影用システムを作ろうと思い、方式をいろいろ考えていました。

自作可能な方式として
 1、ミラー式(ペンタックス式で現在XZ-2標準レンズと組み合わせて使用中)
 2、プリズム式(バリミラージュ改造品を使用した方式)
が候補に挙がっていました。
マクロ用なので、クローズアップレンズの前に3Dアダプターを置く構成になります。
そのため、ミラー式は光路が長くなって被写体とのワーキングディスタンスが短くなってしま
うため高倍率のクローズアップレンズが使えません。

  ※等倍ぐらいの倍率がほしいので、今回テストに使用したf=100mmぐらいのクローズ
   アップレンズ(WD=100mm)との組み合わせを考えると、被写体との間にミラー間の光
   路(50~60mm)が入るため実ワーキングディスタンスが30mmぐらいになり実用的では
   なくなります。
   ミラー式3Dは等倍の倍率目標を落としてf=200mmぐらいで妥協するしかないかなー

      追記:水中で3Dマクロを写すことのできる、ミラー式3Dアダプターを作りました。

そこで、プリズム式を検討したところ、バリミラージュが生産中止で手に入らなくなり作れな
くなってしまいました。

どうしたもんかなー と考えていたところ
偶然、バリミラージュのジャンク品(VARI MIRAGE 49mm)が出ていたのでゲット。
値段も、なんと540円。
さっそくバリミラージュを使った3Dのテストをしてみました。

マクロ用3Dシステムは水中で使用するので、テスト条件は下記で行いました。
 (今回は事前テストのため、空気中でテストしています)

 1、カメラ XZ-1 (絞り優先 f8固定、内臓ストロボ使用)
 2、水中ハウジング PT-050
 3、クローズアップレンズ UN UNCU-02 f=100mm 67φ(借り物です)
 4、バリミラージュ 49mm ※改造して使用しているため、以下「プリズム」とします(注1)
 5、モデルさんは、「日本一小っちゃなこんぺいとう」さんです。

3Dの画角は、ズーム最大位置でちょうど被写体が2分割画面の中央になります。(図1)
このため、プリズムを使用するときはズーム最大位置でしか使えないことが分かりま
した。

 (図1)プリズム式3D・編集前のオリジナル写真(修正なし) 平行法

01_p5300483_3d_b_org

 

 ここで、プリズム式の欠点である色収差が予想より顕著に出ることが分かりました。
プリズムもR=無限のレンズと考えると、軸上色収差と倍率色収差の2つが同時に起きてい
ます。

  ※レンズとして考えると致命的なのだが、プリズム本来の目的では正常です(^_^;)

撮影時はカメラのモニターでも色ずれが分かるほどで、ピント合わせはどこにあっている
の? 状態です。
ちなみに私のXZ-1はRGB画像のうちR画像がシャープなので、どうやらRでピント合わせ
をしているようです?

とりあえず倍率色収差をPhotoshopで補正してから、3D編集(不要部分のトリミング、交差
法にするための左右変換)して見ました。(図2)

(図2)プリズム式3D・編集後の写真(色収差補正有・トリミング有り) 交差法

02_p5300483_3d

 

3Dの撮影範囲は、ピント面横方向(トリミング後)で約11mmでした。
ちょっと撮影範囲が狭いようですが、プリズム角が固定なので調整できません。
画質は全体的にぼやけてシャープさがありません。
プリズムなしで写した写真(図3、4)と比べるとその差が分かります。

(図3)プリズムなしで写した写真(色収差補正無しのオリジナル)

03_p5300482_2d_b_0

 

(図4)プリズムなしで写した写真(色収差補正後)

04_p5300482_2d_b_1

 

画質を比べてみると、プリズム式3Dは満足のいく画質ではありませんでした。

更に細かく見るために、色収差補正後の(図2)(図4)を拡大と色分解してみました。

(図5)プリズム有り(図2)の左側を拡大

05_p5300483_r_rgb_all

 

(図6)プリズム有り(図2)の左側を拡大 Rチャンネル

06_p5300483_r_rgb_r

 

(図7)プリズム有り(図2)の左側を拡大 Gチャンネル

07_p5300483_r_rgb_g

 

(図8)プリズム有り(図2)の左側を拡大 Bチャンネル

08_p5300483_r_rgb_b

どのチャンネルにもシャープさが無い。どうしてだろう?
ピント合わせもモニターで確認しながら合わせたのに?

※5枚写したがどれも同じでした。

 

(図9)プリズム無し(図4)の拡大

09_p5300482_2d_org

 

(図10)プリズム無し(図4)の拡大 Rチャンネル

10_p5300482_2d_r

 

(図11)プリズム無し(図4)の拡大 Gチャンネル

11_p5300482_2d_g

 

(図12)プリズム無し(図4)の拡大 Bチャンネル

12_p5300482_2d_b

これがXZ-1+UNCU-02の画質です。
※UNCU-02はまだ水中で使ったことが無いので、こんなもんでしょうか?

 

プリズムが2枚入るとこんなにも画質が落ちるのでしょうか?
マクロ域では色収差を抑えないとボケボケの写真になるんですね。

結論として、「プリズム式の3Dアダプターは画質が悪くて使えない」ことが分かりました。

さて、「水中3Dマクロ撮影用システム」 どうしましょう (^_^;)

 ※レンズの色消し技術を使った色ずれの無いプリズム。(分光できないプリズムって?)
   きっと作れると思うけれど、個人には手が出ないほど高価だろうなー

 

(注1)
今回のテストでは水中使用を想定しているため、バリミラージュを改造して使っています。
改造は、バリミラージュの被写体側プリズムの凸を内側に入れ替え、外側の両面が平面と
なるように向きを入れ替えています。
これは、水中で使う場合にプリズムをシーリングして空気層が保たれるようにして、水中/
空気中でも屈折角が同じになるようエアレンズ化するためです。
(エアレンズ化するには、外側両端にも空気層が必要で間違っていました(^_^;))
又、真ん中に出来るゴーストの低減効果もあります。
 そのため今回の評価は、改造したバリミラージュを使用した個人的な感想であり
メーカーの正規品本来の使い方による画質でないことをお断りしておきます。

 

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