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2013年7月 4日 (木)

瀬戸内海の、3D海底地形図  (シリーズ11)

                                        (海底地形図の一覧表)

瀬戸内海の、3D海底地形図 (シリーズ11)

 海底地形図 シリーズ11は、瀬戸内海です。

     作ってみて驚いた 

    浅い~~~  平均水深 -31m 

 瀬戸内海の予備知識が何にもなかったので、作ってみて、へ~ の連続です。

 

 

1、瀬戸内海の、3D海底地形図

  瀬戸内海の、3D海底地形図(図1)  3D立体図・交差法 (左クリックで拡大)

1_setonaikai_3d_kaiteitikeizu

 

 

1a、 瀬戸内海の、3D・スクロールパノラマ(高解像度)  ※2013/08/06 追加

瀬戸内海の3D海底地形図を高解像度で見ることのできる、3D・スクロールパノラマです。

 左右に2分割して作られた、交差法の立体海底地形図がスクロールするので、画面を
交差法で見て下さい。

交差法で長時間見られない方は、見たい位置で一時停止して静止画にして見て下さい。

HD(1440x1080)で見るのがお勧めです。

BGM:音楽素材『甘茶の音楽工房』「ichigovanilla」

 

 

 

---------  2013/10/11 追加記事  ----------

1b、陸域部分を追加した、「瀬戸内海の、3D地形図+3D海底地形図」を載せました。

 

陸域にスケールを合わせると、瀬戸内海の海底はほとんど平坦になってしまいました

 

1b-1、瀬戸内海の、3D地形図+3D海底地形図

   3D立体写真・交差法 (左クリックで拡大)

Setonaikai_3d_kaiteitikeizu_all

 

 

1b-2、瀬戸内海(東部)の、3D地形図+3D海底地形図

   3D立体写真・交差法 (左クリックで拡大)

Setonaikai_3d_kaiteitikeizu_toubu

 

大阪平野に海が見えます  

    調べたら →  大阪平野と大阪湾の、3D地形図+3D海底地形図 (シリーズ24)

 

1b-3、瀬戸内海(西部)の、3D地形図+3D海底地形図

   3D立体写真・交差法 (左クリックで拡大)

Setonaikai_3d_kaiteitikeizu_seibu

 

---------  2013/10/11 追加終わり -----------------

 

 

2、瀬戸内海の、3D・海底地形図 3D-回転モデル

   瀬戸内海の鯨観図(鳥瞰図)を、10度毎に回転するHD動画にしています。
  見たい角度で停止させて見て下さい。

  瀬戸内海の鯨観図(鳥瞰図) (図2)

 

 

 

  BGM:音楽素材『甘茶の音楽工房』「aruharetahinoumi」

 

   今回、瀬戸内海・全域の3D海底地形図を作成したのですが、ちょっと広域すぎた
  ようです 

    1)細長い  2)水深が浅い  3)水深の変化が小さい 4)島が多い  

  ので、3Dの立体感がうまく出せませんでした。
  そのため、瀬戸内海を4割して細部が見えるようにした3D海底地形図を作成して
  行く予定です。

  瀬戸内海の3D海底地形図の分割案(図12)

12_setonaikai_3d_bunkatu

 

 

  分割して作成した、 瀬戸内海の3D海底地形図 (シリーズ12~17) 

    12、瀬戸内海「 大阪湾~紀伊水道~播磨灘 」の、3D海底地形図 (シリーズ12)

    13、鳴門海峡の、3D海底地形図 (シリーズ13)

    14、瀬戸内海「 備讃瀬戸 ~ 備後灘 ~ 燧灘  」の、3D海底地形図 (シリーズ14)

    15、瀬戸内海(燧灘、安芸灘、広島湾、伊予灘)の、3D海底地形図 (シリーズ15)

    16、瀬戸内海(伊予灘、周防灘、豊後水道)の、3D海底地形図 (シリーズ16)

    17、速吸瀬戸の、3D海底地形図 (シリーズ17)

    24、大阪平野と大阪湾の、3D地形図+3D海底地形図 (シリーズ24)

  ※ 2014/11/01 追加しました

    30、25mメッシュ水深データによる鳴門海峡の3D海底地形図(シリーズ30)

 

 

3、瀬戸内海のプロフィール

   瀬戸内海の3D海底地形図を見ていて、いろんな疑問が出てきたので
  瀬戸内海のプロフィールを調べてみました。 

 

3-1  とにかく、浅い!! 平均水深 -31m

   大阪から福岡まで、約411Kmにも及ぶ大きな瀬戸内海の平均水深が、
  -31m しかありません。

    瀬戸内海は地球規模で見ると極浅の内海。(図3) (左クリックで拡大)

3_setonaikai_tousinsen

 

   横幅が約411Kmもあるのに、平均水深は -31m。
  (図3)の地図の大きさを畳1畳の大きさ(910x1820mm)とすると、平均水深は -0.137 mm
  で、新聞紙2枚の厚さにしかなりません。
  等比の模型を作ったら、海面が表面張力で陸よりも高いなんてことになりそうです。

   この巨大で細長く浅い’水路’ 
  ちょっとでも高いところがあったら、瀬戸内海が分断されています。
  まさに、奇跡の海底地形ですネ

  海底地形図を作ってみると意外なことが多くて毎回びっくりすることが多すぎます!!

   また航路の水深も浅く、備讃瀬戸南航路で -13m 、来島海峡航路 -14m です。
  この水深で瀬戸内海を横断できる船の喫水は、13÷1.1 = 11.8 m
    (船の満載喫水(例) 30,000トンタンカー ~ 10.4m、50,000トンタンカー ~ 12m)
  30,000トンタンカークラスの船までしか瀬戸内海を横断できません。

 

 本当に平均水深 -31 m しかないの?

   疑うわけじゃないけれど、自分で平均水深を計算してみました。
  下の(図4)の赤枠で囲まれた部分(領海法による瀬戸内海の範囲で福岡と山口の間が
  少し欠けています)の500mメッシュ水深データから平均水深を求めてみると、

    -32.3m  となりました。

  (誤差は、水深データが500mメッシュで粗く水深単位が1mであること、マッピング時の
   処理による誤差、を考えれば、まずまずの結果ではないでしょうか)

 

   瀬戸内海の平均水深(等深線図) (図4) (R1調べ)  (左クリックで拡大)

4_setonaikai_heikinsuisin

 

   水深の分布も同時に調べてみると、水深 11-20 m が約25%も占めています。

   瀬戸内海の水深分布(図5) (R1調べ)  (左クリックで拡大)

5_setonaikai_suisinbunpu

 

   なんと、瀬戸内海の約70%が、リクリエーション・ダイビングで潜れる限界の-40m
  までの水深です!!

   一方、深い方は豊予海峡(速吸瀬戸)で、-465m 
  なぜここだけ、急に深いのだろう?
  佐田岬と関崎(幅約14km)に挟まれる豊予海峡は潮流が速いので、海底が削られ
  たんでしょうか?

  ※ 瀬戸内海の公式なデータは、海上保安庁の資料で見ることが出来ます。

    瀬戸内海の深さ?
          http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN6/5_sodan/mame/topic39.htm

    速吸瀬戸の海底地形、地質構造
          http://cais.gsi.go.jp/KAIHOU/report/kaihou20/05_02.pdf

 

3-2  瀬戸内海は昔は陸だった!!

    瀬戸内海は昔陸地であり、数万年前の海面上昇で今の瀬戸内海の姿になった
   そうです。

   水位が上昇して今の形になる前の古瀬戸内海が、今よりどのくらい水位が低かった
   のか、現在の海底地形を使って、シミュレーションしてみました。

   その結果、水位が現在より -25mの時が一番、古瀬戸内海に近いようです。

   瀬戸内海の海面上昇による海岸線の変化(シミュレーション) (図6)

6_ko_setonaikai

    「古瀬戸内海の図」の出典:せとうちネット

 

   下図は、-10mから-100mの水位低下をシミュレーションした結果です。

   瀬戸内海の海面上昇による海岸線の変化(シミュレーション) (図7)

7_setonaikai_suisin_henka

 

*** 2014/10/05 追記 ***

 瀬戸内海の水深80mでナウマン象の化石が発見される事をコメントで教えて頂きました。
現在の水深80mが陸でナウマン象が生きていた年代は何時?だったのか、海面上昇と
年代を調べてみました。
-80mが陸であったのは約13,800年前で、「ナウマン象は1万数千年前に絶滅したとされて
いる。」ので最終期のナウマン象だったかもしれませんね。

瀬戸内海の海面上昇による海岸線の変化と年代(参考) (図7a)   (左クリックで拡大)

Setonaikai_suisin_nendai

 瀬戸内海が東西に1本の水路としてつながったのはシミュレーションで見ると、-20m
以上に海面が上昇した時代で約8,500年より後で約7,700年より前の間となりました。

(注意)
 シミュレーションによる海面低下の年代は、現在の海底地形に対して変動(地殻変動、
浸食、堆積等)が無いと仮定して「出典:wikipedia 海水準変動~最終氷期以降の海水準の
変化」を元にR1が推測した年代です。
そのため地質学的に正確な年代ではありません。参考程度に見て下さい(^_^;)

*** 追記 終わり ***

 

 

3-3  瀬戸内海の海流は?

     瀬戸内海の海水の流れは、主に太平洋の潮位変化で流れ込んでくる(出ていく)
    潮流なのだそうです。
    そのため一方向に流れる海流はなく、潮の満ち引きに合わせて流れが反転します。

    瀬戸内海の潮流による流れは複雑です。
    例として、①2013/06/24 00:00  ②2013/06/24 06:00 の 潮流の流れ図です。

    2013/06/24 00:00 (図8)

8_03_2013062400

    2013/06/24 06:00 (図9)

9_03_2013062406

 出典(図8,9):潮流推算 http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/TIDE/curr_pred/

 

*** 追加記事 2016/01/02 *******************************

上空705Kmのランドサット8からみた、「 大阪湾~紀伊水道~播磨灘 」の潮流が白濁で
可視化された画像です。

      Landsat8で見る、瀬戸内海「 大阪湾~紀伊水道~播磨灘 」

************************************* 追加 終わり *******

*** 追加記事 2016/03/29 ********************************

ひまわり8号で瀬戸内海の潮流が見えるのか?

 気象衛星ひまわり8号から、瀬戸内海の潮流が見えた???

************************************ 追加終わり *********
 

 

  この日の潮位変化を図にしてみました。

        ※ 潮位グラフの高さ(振幅)は同じスケールに調整してあります。

   瀬戸内海に出入りする潮流による潮位変化と時間差 (図10)

10_setonaikai_tyoui_1

     出典:図、及び潮位のデータは、大阪管区気象台 瀬戸内海の海洋気象情報
         (2013/06/24,25)より引用。
         その他のデータ(潮流の流れ図、時間差等)は、R1調べによるものです。

       (※図10を作っていて潮汐が約12時間周期だと知りました(^_^;)
        ダイビングをやっていても、潮が引くと船が下がって乗りづらいぐらいの
        知識しかなかったので)

 

   
  
     グラフに示した時間は、太平洋から紀伊水道と豊後水道に分かれて入り込んだ
    潮流が、瀬戸内海の中央部に流れ込んでいく(出ていく)時の潮位変動の大きさと
    時間遅れを示しています。
    赤線部は満潮時刻、青線部は干潮時刻の遅れを示しています。
     (※ 時間基準は太平洋側です)
    潮位変動の時間の遅れは距離に比例しているようですが、潮位の大きさ(振幅)は
    中に入るほど大きくなっているようです。
    水路が徐々に狭くなって行く、水深が浅くなるなどで、収束されるからでしょうか?
    豊後水道側からの潮位の変動は、太平洋側と比べて振幅の変化はありますが、
    波形は太平洋側と相似しているようです。
    一方、紀伊水道側からの潮位変動は、狭い、友ケ島水道、鳴門海峡、明石海峡で
    複雑に絞られるためか潮位の変動幅は小さいが、波形が歪んでいます。

 

  太平洋の潮位変化が瀬戸内海を伝わる速度は潮流より早い。

      図8,9をみると、瀬戸内海の潮流の速さは、海峡などの狭い部分を除くと、
    数ノットしかありません。(1ノット以下が多い)
    潮流の速さを 1ノットとすると時速換算で、 1.852 Km/h になります。
    一方、潮位変動は、豊後水道から来島航路まで約200Kmとして、4.64時間
    で変化しているので、 200/4.64=43Km/h で伝わっています。

      ・瀬戸内海の潮流の速さ  数ノット (1ノットで、 1.852 Km/h)
      ・潮位変動の伝わる速さ  約 43 Km/h

     潮位変動の波(上下方向の振動)が進むときは、こんなに早いんですね。

    参考に、波の伝わる速さ(上下方向の振動で、潮流として1方向に流れる速度では
    ありません)を調べてみたらこんなのがありました。

     津波、潮汐などの長周期の波の速さ V(m/s)=sqr(9.8(m/s^2)*水深h(m))

    43Km/hから逆算で水深hを求めてみると、 h=14.56 m
    平均水深31mですが、海底の地形など影響を受けると、水深 14.56m
    相当になるのでしょうか?

 

  瀬戸内海を1本の水路としてみた時、同時刻の潮位変動は?

     瀬戸内海全体の潮位の変化(海面の上下振動)を解り易くするために、同時刻の
    潮位変化を水路に沿って西から東にグラフ化してみました。

     瀬戸内海の東西方向の潮位変化 (図11)

11_setonaikai_tyoui_2

 

     瀬戸内海は、広い部分と海峡などの細い水路が交互にある複雑な形をしている
    ので、潮位変動も複雑な振動をしているようです。
    海上保安庁や気象庁は、潮位変化の予測を行っているので、このような複雑な系の
    シミュレーションが出来るんですね!

 

      潮流は、海面の表層部を主に流れるようなので、一方向に流れる海流が無い
    瀬戸内海の海水は太平洋の海水とどのように入れ替わるのかなどが知りたくて、
    水底の海水まで含めた瀬戸内海の海水の流れの資料を探したのですが、見つか
    りませんでした。

 

    瀬戸内海の生態系の資料を見ると、

      「 両端を狭い海峡で半閉鎖された巨大な塩湖 」

    になるのだそうです。
    このテーマで調べるのも、おもしろそうですね!

    3D海底地形図って、やっぱり 作るのも、見るのも楽しいですね。

 

**************  海底地形図について  ****************

  1、 作成した海底地形図は、私が趣味で作ったものです。データの解釈間違い
     や計算ミスなどで、海底地形図のデータが正しいものとは限りません。
     そのことを理解した上でご覧ください。

  2、 作成した図の垂直:水平比(標高・水深)は実際よりかなり誇張されています。
     そのため、斜面の勾配が急に見えても、実際はもっとなだらかです。
     標高・水深は、カラーチャートを参照ください。

  3、 作成した海底地形図、地形図に使用した地形データ。

     海域:
      「日本海洋データセンター(JODC)」で公開している、
      「日本周辺の500mメッシュ海底地形データ(J-EGG500)」を使わせて頂きました。

     陸域:
      「独立行政法人 防災科学技術研究所、工学院大学」で作成・公開している
      「500mメッシュ地形分類データ」を使わせて頂きました。
      【国土庁:都道府県別土地分類図(地形分類図)を使用】

****************************************************

 

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海底地形図」カテゴリの記事

コメント

大変楽しく、また意義深いブログを見せていただきました。瀬戸内の海を眺めて生活をしていますが、ところどころ水深80mぐらいの深さの海底があって、そこでナウマン象などの牙や骨が網にかかるそうです。当時の湖か何かで水場だったんでしょうか?ところで時代によって寒冷期には海岸線が遠のき、温暖期には逆が起こりますが、瀬戸内はこれほど浅いと、寒冷期の海がもっと浅くなったときにはもっと流速は早かったのでしょうか?

投稿: murakami ryou | 2014年10月 1日 (水) 01時16分

 murakami ryou様、R1のブログを見ていただいてありがとうございます。
ダイビングが中止になった時のブログネタとして始めたのが「海底地形図」です。
瀬戸内海も海底地形を3Dで見たとき、こんな形ならこんなことはどうなっているんだろう?
と思いつくままに湧いた疑問を調べてまとめたらこんなブログになりました。

 ナウマン象の化石が出ているのは今回初めて知りましたが、例として発見場所が「瀬戸内海西部諸島周辺海域」
で見てみると、「瀬戸内海の海面上昇による海岸線の変化(シミュレーション)(図7)」で-70m以下で無いと
発見場所が陸になっていないようです。
wikiで調べると、-70mの水位低下は約1万2000年前でそれ以前にナウマン象がいたことになります。
-80mは約1万4000年前で瀬戸内海はほぼ全域陸になっていますので、瀬戸内海が水路になっていない時代です。
水源としては雨水しかないのでナウマンゾ象は当時、川や湖になっていた地域で発見されていると思います。
ちなみに図7からは瀬戸内海が水路として通るのは-20mより浅くなった約8千年前以降です。
※年代は、地形変動や堆積物を考慮していない(図7)からの推測です。

 瀬戸内海の潮流の速い所(海峡や来島海峡航路など)はその前後の広い海域が潮位変動の時間差で片方が高くなった
巨大なダムから細い水路で放出される流れと考えると解り易いと思います(図11参照)。
そのため、水深だけでは潮流の速さは分からないと考えます。

投稿: R1 | 2014年10月 1日 (水) 23時13分

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