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2013年5月 7日 (火)

500mメッシュ水深データから作成した日本海溝の3D海底地形図

                                        (海底地形図の一覧表)

500mメッシュ水深データから作成した日本海溝の3D海底地形図 (シリーズ10)

 

 日本海溝の3D海底地形図がやっと完成。
作っても使い道があるわけじゃないけれど、どうしても自分で作ってみたかっただけです。
でも、3D海底地形図を見ていると、いろんな疑問が湧いてくるので、それを考えるのも
また楽しいのです。

「日本海溝の3D海底地形図」から、何が見えてきますか?

 

1、500mメッシュ水深データより作成した日本海溝の3D海底地形図

    交差法で作っていますが、平行法で見ると凸凹が逆になり、地球の中から見た
  3Dになり、日本海溝の底の尖がり方がよく分かります。

   500mメッシュ水深データより作成した日本海溝の3D海底地形図(図1)

     拡大すると大きいのでスクロールして見てください。

Nihonkaikou_3d_kaitei_tikeizu

   3D立体写真・交差法 (左クリックで拡大)

 

  ※追加記事(2014/03/10)

      今、日本海溝沿いに 「日本海溝海底地震津波観測網」 が整備されています。
     上の「日本海溝3D海底地形図に、観測装置とそれを結ぶ海底ケーブルの配置
     を入れた図を作りました。

         3Dで見る、「日本海溝海底地震津波観測網の配置」

 

2、500mメッシュデータで作成した日本海溝の断面図

   日本海溝の断面図です。
  グラフは、水深を約13倍にして書いてあります。
  なぜって?
  3D図の経度方向の範囲(長さ)は、639Km(E140-147 at N35)にもなります。
  でも日本海溝の最大水深は8020m。(最深部の位置が不明です)
  今、私のモニターでは、この海底地形図の横幅が73mmになっています。
  もし、水深を等倍で書いたら、8020mは、0.9mmでグラフを書いても直線にしか
  ならないので、13倍に拡大しています。
  (見た目のバランスでグラフの縦軸を20%にしたので、偶然13倍になっただけです)

   海底には、富士山より高い海山があります。(1,000m以上が海山、未満が海丘)
   N34,E146の断面図では、4000m級の海山があります。 

   500mメッシュデータで作成した日本海溝の断面図(図2)

Nihonkaikou_danmen

     (左クリックで拡大)

 

3、日本海溝の鯨観図(鳥瞰図)

  日本海溝の鯨観図(図3)
    下の、3D-回転モデルの260度の鯨観図になります。

Nihonkaikou_3d_geikanzu

        (左クリックで拡大)

 

4、日本海溝の、3D海底地形図 3D-回転モデル

    (図4)の鯨観図が、0~360°まで、5秒毎に10度づつ回転します。
   是非、フルHDで見てください。
   等深線タイプ/陰影タイプ、どちらが見やすいですか?

 

   日本海溝の、3D海底地形図 3D-回転モデル(等深線タイプ) (図4)

 

   日本海溝の、3D海底地形図 3D-回転モデル(陰影タイプ) (図5)

 

   ※「3D-回転モデル」図はデータ量が多いので、2Kmメッシュ相当で描かれています。
   ※ビデオのBGMは、
      フリー音楽素材「甘茶の音楽工房」 さんを、使わせて頂いています。(感謝~)

 

 

-----------------  2013/08/08 追加 (始め) -------------------

    日本海溝の、3D海底地形図 (交差法)  (図7)

 

 

    1、3D海底地形図は、交差法で作られています。 立体視の苦手な方は、
      右(又は左)側の図だけを見て下さい。

    2、3D海底地形図は、10秒ごとに30°回転します。 見たい角度で一時停止
      するとゆっくり見られます。

    3、使用したデータは、「日本海洋データセンター(JODC) の
      500mメッシュ水深データ」を使っています。

    4、この図は、HD(1920x1080)で作られています。
      ぜひ、HD全画面表示で見て下さい。

    BGM:音楽素材『甘茶の音楽工房』「omoidenochristmas」

     ※ このビデオの図は、静止画に分割してブログに張り付けた方が見やすいと
       思うのですが、ブログの容量を圧迫してしまうため、こういう形にしました。
       図の横幅が1920ピクセルあるので、ブログの最大幅1600ピクセルより大きく
       見ることが出来ます。

---------------------  追加・終わり  -----------------------

 

5、日本海溝に潜り込む海山

   
  「日本海溝の3D海底地形図(図1)」を見ると、海山がこれから日本海溝の下に
   潜り込んでいくところが2カ所あります。
     1)銚子沖 N35.8/E142.8
     2)十勝沖 N40.8/E145

   銚子沖の海山付近を拡大して見たのが下の図です。

   日本海溝に潜り込む海山(図6)
     富士山級の海山が、日本海溝に潜り込んで行こうとしています。

Nihonkaikou_kaizan

    3D立体写真・交差法 (左クリックで拡大)

 

   海山が日本の乗っている北米プレートに潜り込むと、どうなるのでしょうか?

     1)上側の北米プレートの縁が海山に押されて、潰れながら盛り上がる。
     2)盛り上がって脆くなった上側のプレートに、海山が潰れながら潜り込んでいく。
     3)海山部分が潰れながらも突起となり、上側のプレート面を周囲の平らな面より
       多く引きずり込んで行く。
     4)その結果、海山が潜り込んだ部分の歪みが周囲より大きくなり、地震の危険性
       が増す。

   こんな感じでしょうか? 

    でも、ずいぶん先のことのようです。
   海山の経度方向の長さを45Kmとすると、太平洋プレートは年に約10cm西北西に
   移動しているので

      海山が潜り込んで見えなくなるまでは?= 45Km/10(cm/年) = 45万年

   45万年後、日本列島がまだ在るでしょうか?

   日本海溝の北米プレートの下には、潜り込んで見えなくなった海山の跡がまだある
   かもしれませんね。

 

**************  海底地形図について  ****************

  1、 作成した海底地形図は、私が趣味で作ったものです。データーの解釈間違い
     や計算ミスなどで、海底地形図のデーターが正しいものとは限りません。
     そのことを理解した上でご覧ください。
      

  2、 作成した図の垂直:水平比(水深)は実際よりかなり誇張されています。
     今回の最大水深は、日本海溝で8,020mです

  3、 作成した海底地形図に使用した地形データー。
      「日本海洋データセンター(JODC)」で公開している、「日本周辺海域の
     水深データを500mの間隔でメッシュ化したデータ」を使わせて頂きました。
  
     500mメッシュ水深データの範囲:北緯34~43度、東経140~147度。

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